著者
寺﨑 昌男
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:24342343)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.7-21, 2010-05-25 (Released:2019-05-13)
参考文献数
15
被引用文献数
2

職員の組織的な能力開発(SD)は,その必要性と重要性にもかかわらず,効果的なプログラムの実現,体系的なカリキュラムの編成の面で多くの課題を抱えている.本稿では,現在日本の大学で実現されている五つの能力開発ステージを取り上げて,おのおののメリットとデメリットを点検し,今後の活用方法を考察する.次いでSD のミニマム・エッセンシャルズを,①大学の本質への理解,②自校理解の形成,③大学政策への理解という3点に絞って提言する.さらにSD の目標は企画能力の養成にあるのではないかという観点から,職員のライフステージに即応したSD プログラムが必要ではないかと論じ,さらにFD と結合したSD のあり方を論じ,職員の専門性を保障する人事コースをどのように創るかというテーマについて提案を試みる.