- 著者
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入駒 慎吾
小久保 荘太郎
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.5, pp.757-764, 2008-09-12 (Released:2008-10-17)
- 参考文献数
- 7
周産期医療を取り巻く環境は, 最近大きく変化している. さまざまな報道により, 国民の間にも周産期救急医療の重要性が認識され始めた. このことは周産期医療の集約化を後押しする力となり, われわれ麻酔科医は周産期救急医療に一層貢献できるようになる. 周産期救急は大きく母体救急と胎児救急とに分けられる. 母体救急には大出血への対応, 痙攣あるいは塞栓等があり, 胎児救急には超緊急帝王切開術等がある. 大出血への対応力や麻酔導入の迅速性は, まさに麻酔科医の得意とするところであろう. しかし, 麻酔科医が帝王切開術の麻酔管理を行っているのは全体の30%にも満たない現状がある. まずはここから変えていかねばならないと考える.