- 著者
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小向 敦子
- 出版者
- 日本笑い学会
- 雑誌
- 笑い学研究
- 巻号頁・発行日
- no.22, pp.103-115, 2015-08-01
「16歳未満者(の鑑賞)は制限されるべき」という意味で、映画のタイトルの横などに"R-16"(restricted under 16)と、表記されているのをご覧になったことがあるだろう。「未満」があるなら「以上」もあるのか。あるいは英語の16(six-teen)と60(sixty)は発音が似ていることから、R-60(還暦未満お断り)もありそうだが、その場合は、どのような内容を指すのだろう、と近頃考えていた。しかしこうして、要旨の文字の半数近くを、今回"R-65(シニア未満お断り)のユーモア"を取り上げた経緯を説明するためだけに、費やしてしまった。このまま終わっては「要旨」の覧に、いやらしく「告知」をしたことにもなりかねない。そうならないために、どうか皆様には、この続きを読み進めて頂きたい。本編では、シニアに特有の笑い(従来の定番)として、容姿・病症・物忘れ。笑うに笑えない笑い(危険ユーモア)として、駄洒落・下ネタ・皮肉。そして注目すべき上昇株として、言い間違い・聞き間違い・書き間違いの笑いについて、紹介しつつ探究している。