著者
小室 圭子
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.249-252, 2019-11-30 (Released:2020-01-28)
参考文献数
5

慢性呼吸器疾患患者は治療を継続しているにもかかわらず,基礎疾患の進行や加齢に伴い一般的には経年的な肺機能低下がある.今回,息切れの訴えと酸素療法を行っている呼吸器内科外来を受診した32名と呼吸器内科病棟で息切れの訴えや酸素療法を行っている患者50名を対象に看護介入を行った.看護介入の延べ数は397件であり,入院222件(55.9%),外来175件(44.1%)であった.疾患別では,間質性肺炎35名(42.7%),とCOPD 21名(25.6%)の患者で過半数を占めていた.介入内容は,酸素療法174件(43.8%)が最多であり,呼吸法113件(28.5%),薬物療法34件(8.6%)と続いた.患者のセルフマネジメント能力を効果的に引き出すためには,必要なときに指導・相談ができる環境が重要である.慢性呼吸器疾患看護認定看護師が病棟と外来の組織横断的活動を行うことは,患者への質の高いケア介入となり,患者のセルフマネジメント能力を効果的に引き出す手段の1つであると考えられた.