- 著者
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小尾 晴美
- 出版者
- 社会政策学会
- 雑誌
- 社会政策 (ISSN:18831850)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, no.4, pp.75-86, 2010-02-25 (Released:2018-02-01)
非正規形態の労働者が公務の担い手の中にも拡大しはじめている。本稿では,1993年度のA区の保育事業の事例を検討することによって,地方自治体の非正規職員の勤務実態および労働条件を明らかにし,その問題点を指摘することである。本稿で明らかになったのは以下の点である。第一に,A区区立保育園の非正規職員の中には,短時間で補助的な職務を担う勤務形態と,経験と高い専門性を必要とする職務を担い,比較的長時間勤務する勤務形態の二種類の労働者が存在したということである。第二に,非正規職員は,質的には常勤職員と同じ仕事をすることが必要であるにもかかわらず,賃金は,常勤職員と比較して低水準であるということである。第三に,非正規職員は,制度の不備から,非常に不安定な雇用の下におかれていることが明らかになった。