著者
鈴木 保菜実 秋月 真一 城尾 弘美 小山 光彦 フェルナンデス ポランコ フェルナンド ムニョス トーレ ラウル 戸田 龍樹
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.27, 2016

近年、各地の湖沼域で水草が過剰繁茂し、その適切な処理法の確立が課題となっている。メタン発酵は、高含水系バイオマスからエネルギー回収可能な技術であり、水草の処理法として有望である。しかし、水草に含まれるリグニンがメタン生成効率を低下させるため、リグニン量の多い水草を対象とした場合は前処理が必要である。水蒸気爆砕は処理時間が短く低コストで実施可能な前処理であり、近年その利用が注目されている。本研究では、琵琶湖に繁茂するセンニンモを異なる条件で水蒸気爆砕処理し、そのメタン生成量を評価した。爆砕処理により加水分解が促進され、メタン生成量が向上した。特に、爆砕強度の指標Severity Factor (SF)値が4.0以上の条件において、加水分解率とメタン生成量が急激に向上した。SF値4.4の条件で最大メタン生成量250 mL g-VS-1を示し、無処理と比較して約2倍の生成量に達した。
著者
小山 光彦 シュクリ ファディル 戸田 龍樹 トラン クイン ザイヌル カマル シャズニ 中崎 清彦
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.201, 2020 (Released:2020-11-30)

本研究は、エビ養殖池汚泥のアンモニア変換プロセスの高効率化に有用な知見を得ることを目的として、異なる養殖池汚泥の高温好気発酵処理におけるアンモニア回収ポテンシャルを比較するとともに、次世代シーケンサーによる菌叢の網羅的な解析ならびに機能予測解析をおこなった。エビ養殖池汚泥からのアンモニア回収ポテンシャルは、汚泥の有機物濃度に大きく依存することがわかった。汚泥の微生物分解において、非溶存態窒素画分を溶存態化する過程がプロセスのボトルネックであることが窒素収支により明らかとなった。菌叢解析ならびに機能予測解析により、ペプチドグリカンや難分解性有機窒素の分解が有機態窒素の溶存態化の制限要因となっていることが示唆された。今後、これらの有機態窒素分解酵素を分泌する微生物を接種することにより、養殖池汚泥の分解・アンモニア変換の高効率化が期待される。