著者
坂口 雄介 村山 敏夫 小山 清夏 YELITU HEQI 尾山 裕介
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.190_1, 2018

<p> 平成29年度における交通死亡事故の特徴として、高齢者の占める割合は過去2番目の高さであること、さらに歩行中の死者数は高齢者の占める割合が72.2%であるという警察庁の報告から、高齢者の歩行中における交通事故抑止は喫緊の課題といえる。高齢者の交通事故抑止に向けた研究として、事故状況をまとめて高齢者の事故局面における特徴を把握したものが多く報告されている。しかし高齢者の交通死亡事故に歯止めがかかっていないという現状より、新たな視点からの研究が必要であると考える。</p><p> そこで本研究では、高齢者を対象に判断パターンの分類を目的としたテストを実施する。ここでいう判断パターンとは、様々な状況下における個人の判断特徴を定量的に示すことを目的とし、定型化することである。さらに感覚刺激認知に着目した運動機能測定、及び歩行環境シミュレータとアンケート調査を実施し、これらの結果の比較、検討を行った。これにより高齢者の交通事故局面における注意喚起システムの開発と提案を行うことで、今後の新たな交通事故抑止に向けた取り組みの一助になることが期待される。</p>