著者
小崎 雄大 木谷 庸二
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.472-473, 2018 (Released:2018-06-21)

日本国内で洋画作品のプロモーションが行われる際、製作国で展開された映画ポスター(本国版)が映画配給会社によって国内の市場へ向けた日本版デザインに再設計される。その事例として、アクションシーンの描かれていた本国版デザインが、ファミリードラマ要素を強調したビジュアルへと再設計された映画ポスター等が存在する。事実、このような大幅な再設計によって国内で高い成績を記録した作品も存在する一方、本国版のデザインを変更したために訴求の機会を損失している客層が存在していることも確かである。そこで彼らを含め、様々な客層に作品を効果的に訴求するために「フォーマットを統一したジャンル別ポスター」を提案する。本手法は、ジャンル別にデザインの異なる複数のポスターを制作し、客層別に訴求効果の高いポスターで作品を宣伝する手法である。またポスターの制作過程では、フォーマットが統一され、構図や色彩などビジュアルの一部に共通部分を残したデザインが全種類に施される。これにより作品のポスターとして統一性が生まれ、人々が様々なデザインのポスターに接触を重ねてもフォーマットが作品のイメージとして印象に残り、単純接触効果が保たれる。