著者
高橋 祐亮 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.478-479, 2018 (Released:2018-06-21)

この制作は昆虫食を扱っている。今回はその中でも私がいかに昆虫食をデザインしてきたかについて述べる。アプローチは主に3つあり、それは試行錯誤と記録と表現である。私は昆虫食に関する気づきを得るために試行錯誤を行なった。そして、私はその試行錯誤を記録して表現することで、多くの人に昆虫食を考えたり拡張したりするためのきっかけを与えようとした。これらの行為は一般的なデザインとは少々異なっているが、テーマやそのテーマが抱える問題が不明瞭であるときにはデザイン自体を作り上げる必要があるのではないかという考えをもとに行っている、
著者
和田 あずみ 三澤 直加 富田 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.152-153, 2018 (Released:2018-06-21)

対話の場、共創の場、議論の場、学びの場。近年、多様な場を視覚化支援するビジュアルファシリテーション(以後VFとする)の取り組みが広がっている。多様化するVFの取り組みの中で、VFの実践者でもある著者らは、場や目的に応じたVFの手法を選ぶ必要性を感じており、「コンテクスト別にVFの特性を明らかにできれば、コンテクストに応じて活用方法を変えることができ、価値ある場の再現性が高まるのではないか」と考えた。分野ごとに手法を論じた文献は存在するが、分野横断でVFを捉えた先行研究は存在しなかったため、著者らは分野横断的に、VFが形式知化された43文献を読み解いた。一般的な分野ごとの分類ではなく、文献の手法とコンテクスト、及びその背景にある社会全体の変化を捉えた結果、VFが活用される6つの領域と27の役割を特定した。また、VFの手法選択と価値ある活用に影響を与える2つの視点「場が参加者に与える影響」と「目指す成果」を明らかにした。それぞれの領域、役割に応じて、効果的な描き方・描く対象・分析手法・場へのフィードバック等VFの関与方法があると考えられる。
著者
小崎 雄大 木谷 庸二
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.472-473, 2018 (Released:2018-06-21)

日本国内で洋画作品のプロモーションが行われる際、製作国で展開された映画ポスター(本国版)が映画配給会社によって国内の市場へ向けた日本版デザインに再設計される。その事例として、アクションシーンの描かれていた本国版デザインが、ファミリードラマ要素を強調したビジュアルへと再設計された映画ポスター等が存在する。事実、このような大幅な再設計によって国内で高い成績を記録した作品も存在する一方、本国版のデザインを変更したために訴求の機会を損失している客層が存在していることも確かである。そこで彼らを含め、様々な客層に作品を効果的に訴求するために「フォーマットを統一したジャンル別ポスター」を提案する。本手法は、ジャンル別にデザインの異なる複数のポスターを制作し、客層別に訴求効果の高いポスターで作品を宣伝する手法である。またポスターの制作過程では、フォーマットが統一され、構図や色彩などビジュアルの一部に共通部分を残したデザインが全種類に施される。これにより作品のポスターとして統一性が生まれ、人々が様々なデザインのポスターに接触を重ねてもフォーマットが作品のイメージとして印象に残り、単純接触効果が保たれる。
著者
永見 豊 福島 雅弘 滝沢 正仁
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.454-455, 2018 (Released:2018-06-21)

道路交通法による規定では、歩行者が信号機のない横断歩道を渡ろうとしている場合、車は一時停止しなければならない。しかし、一時停止をしていない車は9割以上と非常に多い。それは、多くの運転手が「後続車がなく、通り過ぎれば歩行者は渡れる」と認識しているためである。交通の安全を確保するためには、横断歩道では「歩行者が優先である」という運転手の意識を向上させる必要がある。海外の報告では横断歩道を立体的に見えるようペイントしたところ、速度抑制の効果が認められている。そこで、本研究では視覚効果を利用したメッセージ入りの立体横断歩道を提案した。文字によるメッセージは、車優先へ意識を変えることを考慮して「歩行者優先」とした。配色はフォトモンタージュで色の明度差と文字との色合いに着目した案を複数比較検討し、その中から文字の見えやすさと色合いの良いオレンジと黒文字の組み合わせを選定した。大学構内の横断歩道にペイントを施し、学内で運行をしているバス運転手4名にヒヤリングしたところ、全員から「横断歩道が目立っていた」、「メッセージが伝わりやすかった」という回答が得られた。
著者
清水 淳子 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.290-291, 2018 (Released:2018-06-21)
被引用文献数
1

複雑な社会問題に取り組んでいる当事者たちの課題を解決するため、グラフィック・レコーディングでサポートしました。 この研究の目的は、異なる立場の人々が複雑な問題に直面するときに起こる衝突をどのように解決するかを見つけることです。待機児童の解消を目指すチームと協力しています。私は視覚的なコミュニケーションのプロセスを考察します。私は目に見えるグラフィックだけでなく、人々の思考や関係を考慮し、ビジュアルコミュニケーションの効果を考慮します
著者
大谷 周平 由田 徹 谷口 俊平 前川 正実 永井 由佳里
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.244-245, 2018 (Released:2018-06-21)

近年日本では個人がデジタル工作機械を用いて自分の作りたいものを作る「パーソナルファブリケーション」と呼ばれる文化が広がっており,その環境のサポートとしてFabLabやFab施設と呼ばれる場所,コミュニティの形成が盛んである.その反面,FabLab,Fab施設を運営している複数のオーナに話を伺ったところ,継続して利用する顧客が少なく,規模縮小している施設が多く存在することが判明した.本研究ではデザイン創造性の観点から未来のFab施設のデザインを考えるため,現状の課題を整理し解決の糸口を探ることが目的である.
著者
伊藤 汰地 安井 重哉
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.8-9, 2018 (Released:2018-06-21)

本研究では、ボタン押下時に指先で知覚する触覚要素の感性評価を行なった成果を述べる。押下は様々な触感で構成されていると考えられる。その押下を構成する要素の中から「押下力」「ストローク」「面積」「温度」の4つの要素とそこからユーザが抱く印象の関係を感性評価にて調べた。まずはじめに4つの触覚的要素を提示するための実験装置の制作を行った。実験装置は、”触覚的要素の定量的変更”、”重りによる釣り合い状態の生成”、”押下面を垂直に保ったままの押下操作”といった点から、ロバーバル機構を取り入れた装置を制作した。次に、実験にて被験者に質問する感性評価用語を選定した。選定では、「操作の出力結果」「操作の対象」「押し心地」に関連があり、その形容詞との関係が見つかることで、押しボタンの設計指標とできるような形容詞対を10個選定した。制作した実験装置を用いて、SD法に基づく感性評価を30名の被験者に対して行った。得られた結果を因子分析したところ触覚的要素ごとに印象に偏りが見られた。これらの結果を元にスイッチへの応用などが考えられた。
著者
原田 泰 安武 伸朗 横溝 賢
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.214-215, 2018 (Released:2018-06-21)

リアルタイムドキュメンテーション(RTD) の目的の一つである「議論の見える化」が場の活性化や相互理解に有効であると言われてはいるが、視覚化すれば自動的に効果が現れる訳ではない。RTD 表現物が道具である以上、そのリテラシー(読み/描き)が問われることになる。本項では、RTD をデザイン研究の手法に昇華させるため、RTD スキルの観点から今後の課題についてまとめた。RTDプロセスを俯瞰すると、対象となる出来事の捉え方からアウトプットの方法までを図解し、各項目における課題を指摘することができた。それは(1)何を記録の対象とするか(2)事前打ち合わせの有無(3)スクライバーの記録対象に向ける視点(4)何を表現として残すか(5)メディア表現のスキル(6)スクライバー以外の関与、の6項目である。これらからRTDはグラフィックデザインのアプリケーションであり、グラフィックデザインのスキルがRTDのクオリティに寄与すると言える。また、このプロセスから導き出されるRTDスクライバーの人材観、RTDの将来的な活用方法についても言及した。さらに、このプロセスから導き出されるRTDスクライバーの人材観はそのままデザインの研究や学びに適用でき、RTDの将来的な活用方法についてもその視座が明らかにした。
著者
植田 育代 富田 誠 田中 香津生 工藤 拓也 有賀 雅奈
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.500-501, 2018 (Released:2018-06-21)

近年、研究者は市民など様々な人たちに対して、研究活動を伝達し、対話をしながら研究を進めることが求められている。しかし、高度で複雑な研究内容を研究者自身やデザイナーがわかりやすく視覚化することは容易ではない。 本研究は、研究者とデザイナーが協働で研究内容を視覚化する手法を目的に、研究組織における研究活動の視覚化をおこなった。 デザインの制作においては、研究者にとっても描くことが容易な等角投影図を基本図法として、研究者とデザイナー間でイラスト交換を繰り返し表現の正確性やデザインの質を段階的に高めていく手法を用いた。本稿ではそれらの制作過程の記述し、研究者からの評価を通して本手法の可能性を考察したい。
著者
原 葉月 水谷 元
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.510-511, 2018 (Released:2018-06-21)

類似するものの中から目的の対象を選び取る際、私たちはラベルを用いることでその行為を容易にすることができる。しかしデザインを学んだ事のない人にとって、目的によって何に配慮して要素を選択すれば良いか判断することは困難である。そこで、キーホルダーを題材に差別化機能の側面を取り柄げ、人が対象をどのように識別しているか、また差別化する際の知覚情報の優位性がどのように認知に影響するかを考察した。これにより、目的に応じた要素の優位性を提示できるようなデザイン指針の作成を試み、ラベルを作成利用する際に制作者の経験不足を補うことを目的とした。
著者
崔 智英 白崎 琢也 柴田 守
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.516-517, 2018 (Released:2018-06-21)

報告者らは, 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 ~製鉄・製鋼,造船,石炭産業~」の1つとなり, 今では上陸クルーズなどで日中にぎわう軍艦島(端島)を夜間ライトアップすることによって, かつての「不夜城」と呼ばれた活気ある最盛期の軍艦島の姿を再現できるのではないかと考えている(これにより, 「世界新三大夜景」都市・長崎の観光資源の1つにも加えたいと構想している).そこで,その検討材料として,最盛期の活気をイメージした軍艦島ライトアップに関する3DCGモデルを制作したので報告する.
著者
片倉 葵 菊竹 雪
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.54-55, 2018 (Released:2018-06-21)

近年、様々な種類のお菓子のパッケージデザインを駄菓子屋だけでなくコンビニエンスストアやスーパーマーケットなど近代の商業施設で目にすることができる。お菓子のパッケージデザインは真新しさや話題性、流行を取り入れながら日々新しいものへと変わっているが、その中でも販売当初から変わらないパッケージを使用しているお菓子が存在する。なぜ普遍的なパッケージデザインが長い間売れ続け、そのデザインが現代のデザインに淘汰されず残り続けているのかという疑問に対し、何か1つの法則を定めることでロングセラー商品として現代まで伝承されるデザイン手法が確立されているのではないかという仮説を立てた。ロングセラー商品であり世代を超えて認知度の高いボンタンアメを例に取り上げ、その背景色とモチーフであるボンタンの色面積比率を算出した結果、箱の規格に関わらずある一定の面積比率を保っていた。販売当初のパッケージと変わらぬ色の面積比率がロングセラー商品として残り続けている一種のデザイン手法なのではないかと考えられる。
著者
桑波田 謙
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.212-213, 2018 (Released:2018-06-21)

多様な人々へサービスを提供する公共施設は、利用者中心のデザインが求められる。そのデザインは、様々な利用者の身体性から導かれた根拠に基づくデザインである。現在、バリアフリー法等の整備により、公共施設においても誰もが利用しやすい施設を目指して整備が進んでいる。その一方で、画一的なバリアフリー整備による利用者間の利害摩擦(コンフリクト)が課題となっている。「お茶の水・井上眼科クリニック」は、視機能に障害を抱える患者が、受付から検査、診察、会計への一連の移動をおこなえるように、患者の身体性に着目した実践的な調査が行われ、その成果が施設デザインに生かされてきた。そして、そこで獲得した多くの知見は、幾つかの庁舎施設のデザインへと展開されている。いずれの施設も、目の見えづらい利用者にも分かりやすいサイン基準による視覚情報と床材による触覚情報等を連携させ、視覚障害者の利用を前提とした複数の感覚情報による情報提供が特徴的である。コンフリクトの解消を意識したこれらの事例をもとに、様々な利用者の身体性に着目したエビデンス・ベースド・デザインによる情報提供の重要性について考察する。
著者
李 昀叡 白 柳爛 佐藤 浩一郎 寺内 文雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.350-351, 2018 (Released:2018-06-21)

本研究では、プラスチックの感性価値を高めるために、フィラー(充填材)として天然有機材料を複合し、香りを有することで質感を向上させることを検討する。具体的には、プラスチックのフィラーを複合し、射出成形のサンプルを製作し、香りを有する表現を試みる。
著者
吉澤 知恵 佐藤 浩一郎 寺内 文雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.448-449, 2018 (Released:2018-06-21)

現在市販されている積み木は対象年齢が子供に限られる傾向がある。本研究ではより立体的な造形を大人も楽しめる積み木の製作を目的とした。既存製品がどのような積み方ができるかを明らかにするため、対象年齢、積み方の2点に関して調査を行った[。その結果、積み方の方法を増やすことで、より立体的な造形を楽しめる積み木が作れるのではないかと考えられた。そのため、重心の偏りと積み木の表面の摩擦力、形状に着目をし、試作及び制作を行った。最終的に重心の偏りと積み木の表面に凹凸を彫った積み木を製作した。製作した積み木を実際に体験してもらい、感想に関してテキスト分析した。その結果、より難しい積み方に挑戦する人が多く、直感的にではなく考えながら積む傾向があることや、ゆらゆらと揺れつつもバランスを保てること、表面の模様が印象的であることが判明した。積み方のバリエーションを増やすことで、大人も立体的造形を楽しめる積み木を作れる可能性を示すことができた。今後の展望として、家族で楽しむことができるため、親子のコミュニケーションにつながることが期待される。
著者
松林 景子 蓮池 公威
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.126-127, 2018 (Released:2018-06-21)

近年、帳票の電子化が進んでいるが、官公庁や企業では依然として、手書きの紙帳票の管理やシステムへの入力に多くの時間と労力が費やされている。富士ゼロックスではこのような業務に対応するため、手書き用帳票の設計から、印刷、帳票回収後のデータのOCR読み取り・入力、進捗状況の可視化、書類の不備の確認、各種通知文書等の印刷、台帳管理まで、帳票処理に関する業務プロセスをトータルにサポートするシステムを汎用商品化した。この商品化に至る過程では、最初に官公庁向け帳票処理業務のシステムの概念モデルが構想され、そこから個別案件での具現化とモデルの修正を経て商品化を果たした。本稿では、概念モデルを具現化する個別案件からデザイナーが参画しHCDプロセスを実践することにより、システム構築と運用からメッセージと業務モデルを抽出し、汎用商品化を実現したプロセスを報告する。
著者
井関 大介 余部 昇太 山野 薫平 加藤 健郎 松岡 由幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.200-201, 2018 (Released:2018-06-21)

人工物の大規模・複雑化や,それを使用するユーザや環境の多様化にともない,人工物をデザインするために必要とされる要素は増加の一途を辿っている.それら大量のデザイン要素を用い,的確なデザイン解を得るためには,様々なデザイン環境下において適用可能な包括的視点を持ち,かつデザイン要素を適切に整理しながらデザイン展開を進めていく必要がある.それを実現するデザイン方法の1つとして,多空間デザインモデルに基づくMメソッドが提案されている.Mメソッドは,身近にある紙媒体を用い,手軽に行うことが可能なデザイン法である.一方,既存の発想法やデザイン法を,デジタル化する研究が多数行われている.発想・デザイン活動をコンピュータ上で行うことにより,紙媒体で扱うには困難なほどの大量のデザイン要素を,瞬時に整理し,的確なデザイン展開を進めていくことが可能になると考えられる.そこで本研究では,発想法やデザイン法を,コンピュータを用いてデジタル化した既報の研究論文を調査・分析することにより,Mメソッドに有効である機能を抽出し,それら機能を実装したコンピュータ上で動作するMメソッドシステムの開発を行うことを目的とする.
著者
水井 遥夏 石川 義宗 禹 在勇
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.416-417, 2018 (Released:2018-06-21)

1.はじめに 本報告は、前報「地域資源としてのジオウの商品の開発―信州上田薬草の会の活動を中心に(2)―」の続報である。前報では、新商品(化粧品)の開発における調査報告をした。これは、ジオウの根の活用可能性について、特に栽培の地理的特性や、新商品(化粧品)の価格設定についてアンケート調査に基づく検討と販売結果についての内容とともに、薬草や漢方に対しての価格が高い、古い、くさいなどのイメージとそれと対照的に存在する、現代人の健康に対する高い意識からくるニーズについての考察を述べるものであった。 本報告では、新たに発見されたジオウの葉の効用や特性を生かした商品の開発と、そのロゴ・ラベルデザインについて、議論内容や今後の課題・展望について述べたものである。
著者
瀧 知惠美 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.494-495, 2018 (Released:2018-06-21)

デザインリフレクションとは、チームメンバーで実践知を共有し、メンバー同士のより良い関係性構築につなげる活動である。良い関係性のチームになることで、よりユーザーに利用されるサービス開発につなげることがこの研究の目的である。デザインリフレクションでは主に以下の項目を語り合う。1)苦労を語り合う。2)工夫を語り合う。3)ものごとを判断するときに大事にしている考え方を語り合う。4)やってみてわかったことを語り合う。本研究で扱う実践知とは、サービス開発をするメンバーが開発を展開するために無意識に方略としている行為とその行為の背景にある感情である。本稿では、Yahoo!天気・災害サービスの「避難場所マップ」を開発したチームで行ったデザインリフレクションについて考察する。この事例から、デザインリフレクションを実施する意味を3点見出した。1)自分たちの実践知の素材を見出す。2)実践知の共有によってメンバーの相互理解が深まる。3)チームメンバーとのより良い関わり合い方がわかる。
著者
星野 浩司 青木 幹太 井上 友子 佐藤 佳代 佐藤 慈 進藤 環
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.298-299, 2018 (Released:2018-06-21)

本研究では、福岡市南区の商店街におけるブランディングを目的とした活性化事業として、本学の芸術学部と福岡市、長住大通り商店街(福岡市南区)の産官学が協働で取り組む、産官学連携型のキャリア教育・専門教育を目的とした人材育成教育プログラムの実践を行った。小学生による長住大通り商店街の店舗コマーシャルの制作をワークショップ形式で実施する取り組みや、長住地区についてゲーム形式で学習するアーケード型ゲームコンテンツの開発を行っている。これらの取り組みを通して高齢化や人口流出の問題、生活様式の変化による商店街衰退の現状について直に触れることで、地域が抱える課題解決に向けた打開策の必要性という切迫した状況を理解する機会を得ることが出来た。また、授業で学んだ知識や技術の応用として学外での本取組みの中で、問題の解決や渉外交渉を通し、主体性を持った行動力とコミュニケーション能力の育成を図ることが出来たと考える。