著者
西原 是良 小嶋 大造
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.47-60, 2021-09-15 (Released:2021-09-15)
参考文献数
19

本稿は、平成期の農業公共事業について政策的変遷や予算動向に着目し、土地改良事業の性格の変化や農村振興とのバランスの変化を中心に検証する。平成前期では農業政策から食料・農業・農村政策への拡大、中期では農村振興の安定的な政策展開がなされた。二度の政権交代を経た後期では、第1 に農業公共事業(ハード)が拡大して農村振興(ソフト)が圧縮され、第 2 に農業公共事業が基礎的なインフラ整備から競争力強化へ傾斜した。
著者
小嶋 大造
出版者
Institute of Economic Research, Kyoto University
雑誌
KIER Discussion Paper
巻号頁・発行日
vol.1606, 2017-02

本稿では, 法律と裁量を分析視座に, 農業政策に不安定性をもたらす仕組みや, それが政策形成に与える影響について, 財政学的な観点を中心に検討する. 農業政策では, 1970年代前後の米生産調整を中心に, 根拠法をもたない予算措置と, 法的作用をもつ通達とが組み合わされる形で, 基本法の枠組を逸脱した行政裁量を可能とする仕組みが形成されてきた. これが, 今日まで, 所得対策を中心に農業政策の基本形として続いてきた (例えば, 基本法の枠組から逸脱し, 本来の目的と異なる目的が紛れ込んだ予算措置など). 今後, 行政裁量に対する統制のあり方が問われて然るべきである.