著者
小川 哲治 仲川 晃生 大島 一里
出版者
The Association for Plant Protection of Kyushu
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.19-25, 2011
被引用文献数
1

鹿児島県の奄美地方でジャガイモ塊茎えそ病の発生が認められ,塊茎えそ症状を示す塊茎を採集した。本塊茎からジャガイモY ウイルス (PVY) をジャガイモ(品種 「根系59号」)を用いて分離後,全ゲノム構造を決定した。本分離株と既に全ゲノム構造が解析されている北海道,長野県,九州地方の長崎県,鹿児島県の徳之島および沖縄県から採集した塊茎えそ分離株 (PVY<SUP>NTN</SUP>分離株) を分子進化的に比較した。その結果,奄美分離株はこれまで我が国で認められた分離株とは異なるゲノム型を示し,ヨーロッパで主に発生しているPVY<SUP>NTN</SUP>分離株の組換え体型と類似していた。