著者
小川康一 吉浦紀晃
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.33-42, 2014-09-25 (Released:2018-12-09)
参考文献数
18

埼玉大学では,一般入学試験(個別学力検査等)の合格発表を大学ホームページで公開している.しかし,合格発表時に大学ホームページに閲覧者が殺到し,高負荷のためにWebサーバが機能不全に陥るといった現象が発生し,大学ホームページでの合格発表を閲覧できない状況となっていた.特に平成26年度前期日程の合格発表では影響が顕著であった.後期日程の合格発表では,複数のWebサーバを組み合わせる形で大学ホームページを構築しWebサーバプログラムに対してチューニング等の対策を行い,閲覧者にスムーズな閲覧環境を提供した.本論文は,後期日程合格発表時の大学ホームページへのアクセス集中に対する対策の報告である.この対策を実施する際に,平成26年度前期日程の合格発表時においては,Webサーバへのアクセス量などの情報等が重要であったが十分に得ることができなかった.そこで,限られた期間内で可能な限りに負荷に耐えうる大学ホームページのシステムを構築した.
著者
小川 康一 吉浦 紀晃
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.23, pp.1-6, 2014-02-20

災害時には,人々のネットワーク利用の殺到によって,災害地への重要な通信が優先的にネットワークに転送されにくくなる問題点がある.本論文では,災害地の通信を優先するといった,災害時のネットワークの対応策について提案する.対応策の具体的な方法は,ネットワークを流れるパケット内の IP アドレス情報から災害地の通信であると判断できた場合には,その通信に 「災害 ID」 を付与することである.ネットワーク機器はこの災害 ID を確認し,災害 ID が付いている場合には優先的に配送を行う.また,災害地からの通信,または災害地への通信を優先制御するために,通信が災害地からのものであるかを把握する必要がある.そのためには,IP アドレスと位置情報の対応関係の把握が必要となる.この対応関係の把握のためにデータベースを利用する.この対応策を具体的に実現する方法の 1 つとして OpenFlow を用いる.
著者
小川康一 吉浦紀晃
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.505-506, 2014-03-11

東日本大震災では,Twitterなどのソーシャルメディアや有志による災害情報サイトなどが立ち上がり、人命救助や安否確認、救援物資の確保など、多くの活用方法が見出され,情報伝達手段としてのインターネットの可能性が明らかになった.しかし,一方でデマや流言などが蔓延し,情報が不足した人々を不安に陥れた.そこで,本研究では災害時に発生するデマや流言を抑制し,災害に重要な通信を優先するネットワーク運用手法について述べる.
著者
小川 康一 吉浦 紀晃
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.9-18, 2017-11-30

我々は,大学ネットワーク管理者が利用者のネットワーク機器の状態を把握するため,小型コンピュータとカメラを利用した監視と,その監視情報について移動ロボットを用いて,遠隔操作で収集する手法や自動で収集する手法を提案している.しかし,移動ロボットと監視装置間の通信については,監視装置に蓄積された情報量や,移動ロボットと監視装置間の通信品質が考慮されていないために,移動ロボットとの適切な通信が成立しないという問題点があった.そこで本稿では,移動ロボットの制御により,移動ロボットと監視装置との通信を最適に行うための移動ロボットを制御する手法を提案する.本手法を実装し,大学内での実験により提案手法の有効性を確認した.
著者
小川 康一 吉浦 紀晃
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.1, pp.1-8, 2017-09-22

我々は,大学ネットワーク管理者が利用者のネットワーク機器の状態を把握するため,小型コンピュータと Web カメラを利用して監視装置を開発し,監視した情報を移動ロボットの遠隔操作によって収集する手法を提案している.しかし,移動ロボットの遠隔操作にはあらかじめ監視装置のある部屋の周辺環境についての前提知識が必要である.また,移動ロボットと操作端末間のネットワーク遅延を考慮することや,移動ロボットの操作経験などが要求され,操作を修得するまでに一定の時間を要する.そこで本稿では,移動ロボットに深度センサーやレーザ測距センサーを搭載し,あらかじめ環境地図を作成することによって,管理者が移動ロボットを直接操作せずに監視情報を半自動的に収集する手法を提案する.本手法を実装し,大学内にて遠隔操作による手法との比較実験により提案手法の有効性を確認した.