- 著者
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野々山 宏
有元 真理子
稲川 俊太郎
内田 育恵
谷川 徹
小川 徹也
植田 広海
- 出版者
- 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
- 雑誌
- 日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
- 巻号頁・発行日
- vol.117, no.3, pp.191-195, 2014-03-20 (Released:2014-04-20)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
-
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急性喉頭蓋炎は高度な気道狭窄から致命的となる疾患であるため, ときに迅速かつ的確な処置が必要とされる. われわれは成人の急性喉頭蓋炎患者において性別, 年齢, 発症季節, 初診施設, 受診時期, 症状, 喉頭所見, 血液検査, 既往歴につき気道確保に関連する因子を中心に検討した. 気道確保を行ったのは216例中, 39例 (18.1%) であった. 急性喉頭蓋炎患者の男女比は1.9: 1, 平均年齢は53歳で発症の季節性は認められなかった. 受診時期の検討では, 気道確保群が有意差をもって早期に受診をしていた. 症状は咽頭痛を88%, 発熱を30%, 嚥下時痛・嚥下困難を28%, 呼吸苦を19%, 声の変化を10%に認め, 呼吸苦のみが気道確保との関連に有意差があった. 喉頭内視鏡検査所見では, 一側の仮声帯に炎症が波及し腫脹していた症例 (52.6%) は, 披裂喉頭蓋ヒダ, 披裂部までに留まったもの (12.9%) に比べ, 気道確保率は大きく上回った. 血液検査では, WBC, CRPともに, 気道確保群において有意に高値であった. 既往歴では糖尿病の有病者に気道確保との関連に有意差を認めた. 早期の受診, 呼吸苦, 喉頭内視鏡検査所見での仮声帯の腫脹, WBC, CRPの上昇, 糖尿病の既往がある症例では気道の確保を考慮する必要性があると考えられた.