著者
井上 桂輔 中村 悠真 箱守 正樹 豊田 和典 尾形 朋之 石原 正一郎 小川 晋一 神津 文子 高橋 将
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.53-61, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
14

COVID-19に対する理学療法における具体的な評価方法や運動療法を示した報告はない。感染対策を踏まえた運動機能評価に基づき,隔離中から早期に理学療法介入をした経験を報告する。COVID-19による隔離中に転倒及び筋力低下を呈し,理学療法を実施した4症例に,身体接触が少なく,簡便に実施でき,かつ筋力及びバランス能力を反映する運動機能評価を実施した。その結果から運動療法プログラムを作成および他職種と連携して運動療法を行った。早期に自宅退院した1例を除き,3例は急性期病棟転帰時までに運動機能及び日常生活動作能力の改善が見られたが,回復期病棟で継続的なリハビリテーションが必要であった。尚,担当した理学療法士に感染徴候はなかった。COVID-19による隔離中の患者に対して,感染対策を踏まえた運動機能評価及び運動療法を実施する事は,運動機能の改善及び早期から回復期病棟への入院の必要性について他職種との情報共有が可能であり,有効であったと考える。