著者
内田 又左衛門 小川 邦彦 杉本 達芳 相澤 宏保
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.537-544, 1983-11-20

水面施用した[aniline環-^<14>C]flutolanilはイネによく吸収され, 27日後に葉身中の放射能は最高濃度(93.7 ppm ^<14>C-flutolanil相当)に達した.その後, 緩やかに減少し, 81日後では83.0 ppm相当となった.玄米中への移行はわずか(0.5ppm相当)であった.イネにおける代謝は比較的速く, 9日目以降の葉身中放射能は大半が抽出性あるいは結合性の代謝物に帰属できた.イネからは, 4′-hydroxy-3′-isopropoxy-2-(trifluoromethyl)benzanilide (2), 3′-(hydroxymethyl) ethoxy-2-(trifluoromethyl)benzanilide(3), 3′-hydroxy-2-(trifluoromethyl)-benzanilide(4), 4′-hydroxy-3′-methoxy-2-(trifluoromethyl)benzanilide(6), 3′-methoxy-2-(trifluoromethyl)-benzanilide (7)および2, 3, 4, 6の抱合体が得られた.キュウリの葉面に塗布した^<14>C-flutolanilは13日後でも70%以上が表面から回収された.しかし, わずかながらイネと同じ代謝物が検出できた.