著者
石塚 丈晴 堀田 龍也 小川 雅弘 山田 智之
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.225-228, 2004-03-05
参考文献数
8
被引用文献数
3

本研究では,PDAの手書き文字認識機能を利用して書きとり練習を行なう漢字ドリル学習システムを開発した.本システムを搭載したPDAを1クラスの児童全員に各1台貸与し,PDA漢字ドリルと学習効果の関係について研究を行なった.その結果,PDA漢字ドリルの利用量が多いほど漢字能力も向上するという関係があることが,判明した.一方で,児童の学習記録を教師が把握し適切な指導を随時行なっていく必要も判明し,そのためのシステムを今後開発していく必要があることが分かった.
著者
小川 雅弘
出版者
大阪経大学会
雑誌
大阪経大論集 = Journal of Osaka University of Economics (ISSN:04747909)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.149-161, 2015-09

ピケティ『21世紀の資本』の日本における評価と批判を概観。ジニ係数ではなく所得上位層シェアを格差指標とする理由は,税務データを資料としたことにある。歴史的推計では税務データを資料とせざるをえない。日本の論者が,南亮進らによる戦前の所得分布推計に言及しないのは不可解である。
著者
小川 雅弘
出版者
大阪経大学会
雑誌
大阪経大論集 (ISSN:04747909)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, 2019

就職(内定)状況調査の2018年3月卒業の大学生就職率は98.0%と,極めて高いと喧伝されているが,この数値は高すぎる。この問題はかつて検討したが,再度,学校基本調査と個別大学公表値と比較して検証した。その結果,就職(内定)調査の就職(内定)率は,実態以上に高く出ている可能性が高いことが確かめられた。
著者
小川 雅弘
出版者
大阪経大学会
雑誌
大阪経大論集 = Journal of Osaka University of Economics (ISSN:04747909)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1-22, 2016-05

国民経済計算SNA方式の国内総生産・国民総所得についていくつかの誤解―「国民」とは国籍を意味するとの説明,93SNAから国内概念が主になった等―が見られる。国内概念を国民概念へ変換する際の海外との受取・支払い所得が,68SNAまでの要素所得から93SNAで第1次所得に変った。その背景にはSNAの生産要素・要素所得に関する考え方がある。国民総所得は,国民=国内居住者による生産への貢献分でもなく,経常的支出の源泉所得でもなく,国民総生産と国民可処分所得に比べてあいまいな概念である。