著者
小杉 大輔
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.129-132, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1

本研究は,大学生がインターネット上で現実の自己に近い自己を表出するのか,あるいは,より理想に近い自己を表出するのかについて,自己呈示の観点から明らかにすることを目的とした.大学1年生に対し,Big Five 尺度を用いて,現実の自己・理想の自己・インターネット上の自己のパーソナリティ特性についての評価を求め,Big Five の5因子の特性が,これら3つの自己においてどのように変わるのかについて分析を行った.その結果,調査対象は,インターネット上において,開放性については現実の自己に近い自己を,その他の4因子では現実の自己よりも理想に近い自己を表出する可能性が示唆された.
著者
小杉 大輔 コスギ ダイスケ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
no.20, pp.129-134, 2020-03-31

本研究では、Big Five尺度短縮版への回答をもとに、現実の自己、ネット上の自己、理想の自己の違い、および理想-現実、理想-ネット、ネット-現実のギャップと自尊感情との関係について検討した。その結果、まず、本研究の調査対象となった大学生において、情緒不安定性、非勤勉性、非調和性の3側面についてはネット上で現実の自己よりも理想の自己に近い自己を表出する自己高揚的呈示をすること、外向性については、ネット上で自己卑下的呈示をすること、開放性においてはいずれの自己呈示も見られないことが示された。また、自尊感情については、全体として理想-現実のギャップが大きいほど低いことが示唆された。一方、ネット-現実のギャップについてもその大きさが自尊感情に影響を与える可能性が示唆された。