著者
小村 親英 鹿浦 佳子
出版者
関西外国語大学
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.91-104, 2015-03-30

日本語初級の教科書には、イ形容詞の否定形活用「〜くない」が導入されているものが多い。しかし、日本語母語話者の実際の会話ではその形容詞の否定形活用を使った文はあまり使われず、代わりに対義語が使われるという調査結果がある。関西外国語大学留学生を対象にした調査でも対義語を使う頻度の方が高かった。本稿では、この調査結果に留意し、対義語を使った新しいイ形容詞の指導方法を提案する。
著者
小村 親英
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.20, pp.53-66, 2010

第二言語習得の評価法では、何の目的で、どのように、いつ、何を評価するかが重要な要素になってくる。なぜかと言えば、評価によって学習者の学習達成度を調べるということはもちろんのこと、教える内容、教え方、教科書の選択に至るまで全体のコースデザインの上で留意すべき点を明らかにできるからである。第二言語学習者の日本語の口頭会話能力の評価方法では、口答試験やインタビューを用いて会話能力を評価するのが従来からあるやり方である。本稿はそれら評価時現下の会話能力を評価する方法ではなく、学習者の将来の学習可能性に注目するダイナミック・アセスメントを取り上げ、その理論的特徴を考察するとともに、実践するときの問題点を挙げるものである。