著者
磯村 拓哉 銅谷 賢治 小松 三佐子 蝦名 鉄平
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2023-04-01

脳の計算原理を解明し人工知能に実装することは自然科学最大のフロンティアである。脳はどのように外界の生成モデルを獲得し予測や行動を実現しているのだろうか?本領域の目的は、最先端の計測技術を用いて様々な動物の脳から神経細胞の活動を高精度・大規模に取得し、データから生成モデルをリバースエンジニアリングすることで、脳の統一理論を構築・検証し、その神経基盤を解明することである。そのために神経科学と情報工学の融合領域を創成する。
著者
菅波 美穂 小林 一夫 今村 健太郎 小松 三佐子
出版者
認知リハビリテーション研究会
雑誌
認知リハビリテーション (ISSN:24364223)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.31-42, 2019 (Released:2022-03-30)
参考文献数
14

脳梗塞により前頭葉機能障害がみられた70歳代男性に高次脳機能訓練を行った。本症例は柔軟に新しい状況に対応していくことが難しく,セット転換の制御が低下していた。これらに起因する行動障害は自宅復帰への阻害要因となっていた。そこで,セット転換に必要とされる柔軟性と心的構えの切り替えの機能改善を目的として,前頭葉機能検査に一般的に用いられるStroop 課題とWisconsin Card Sorting Test を応用したColour Stroop訓練およびSet Shift 訓練を導入した。その結果,Set Shift 訓練が前頭葉機能障害の改善に短期的にも長期的にも効果があるということが示唆された。また,包括的なリハビリテーションに加え,本訓練の結果,前頭葉機能テストの成績に向上がみられ,自宅復帰が可能となった。