著者
小板橋 俊哉
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.441-447, 2016-07-15 (Released:2016-09-10)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

プロポフォールが本邦で使用されるようになってから20年近くが経過している.本稿では,プロポフォール麻酔の基本について概説する.プロポフォールの効果部位濃度と血中濃度の違いや薬物動態学,薬力学についての基本的知識は必要である.また,薬物動態学的多様性と薬力学的多様性も考慮しなければならない.特に,年齢による変化や肥満患者への対応は実臨床において必須の知識である.一方,TCIポンプに表示される濃度はあくまで予測濃度であり,絶対値にこだわらないことも重要である.プロポフォールの効果を判定する際に,濃度を補完するツールとしてBISモニタなどの脳波モニタは有用である.
著者
小板橋 俊哉
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.455-466, 2009-07-15 (Released:2009-08-10)
参考文献数
31
被引用文献数
5 6

レミフェンタニル麻酔がストレス反応を抑制する可能性が報告されている. 一方で, レミフェンタニルに関連するいくつかの問題点が指摘されている. 導入時の徐脈は0.5μg/kg/minで投与すると20%に生じた. アトロピンの併用やレミフェンタニルの減量が有効である. シバリングには非体温調節性因子も関与している. 急性耐性や痛覚過敏については現在も研究が続いており賛否両論である. 循環抑制以外の問題点は, レミフェンタニルの急激な作用消失に起因する可能性があることから, transitional opioidが重要となる. 具体的には, モルヒネ0.15mg/kg, あるいはフェンタニル200~300μgを投与する.