5 0 0 0 OA 抗 C5 抗体療法

著者
小林 ひとみ 武井 正美
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.28-30, 2017-02-01 (Released:2017-03-21)
参考文献数
6

補体系は先天性免疫の中心的要素であり,先天性免疫応答と適応免疫応答の橋渡しを行っている.しかし補体系はその破壊力を宿主細胞に向けることもあり,さまざまな疾患および病態に関与している.補体系の調節は薬物探索の有望な方法と認識されており,治療方法が多数開発されてきた.2007 年3 月に米国食品医薬品局が初めて承認した補体特異的薬物である抗補体成分C5 抗体(エクリズマブ;ソリリス)は,この分野で長く待ち望まれていた突破口であった.エクリズマブは,抗C5 ヒト化モノクローナル抗体で,補体C5 に高親和性を示し,C5 からC5a,C5b への開裂を阻害することにより,終末補体活性化経路を完全に阻止し,溶血に対する劇的な抑制効果が示され,夜間発作性血色素尿症の治療の中心となった.また一方,補体制御異常による非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS) の中心的治療として注目されている.本稿では,aHUS の診断からエクリズマブの治療の最近の知見について述べる.
著者
佐藤 雄幸 進藤 勇人 小林 ひとみ
出版者
秋田県農業試験場
雑誌
秋田県農業試験場研究報告 (ISSN:0568739X)
巻号頁・発行日
no.46, pp.59-71, 2006-03

台風15号による潮風害が、男鹿半島以南の沿岸部の水稲・大豆等において発生した。潮風害の発生は、南南西から南西風の吹走と、台風通過時から通過後の少雨が主因であった。実態調査を実施した結果、潮風は内陸部20km地点まで影響を及ぼし、水稲では穂や枝梗の白化や止葉損傷、大豆では葉身の損傷、落莢が生じた。水稲では、大幅な減収と着色・充実不足等による1等米比率が低下した。大豆では、百粒重が小さく、収量が大幅に低下した。台風の来襲時期が8月で、水稲では登熟前~中期、大豆では開花期~子実肥大期と重なったことが被害を拡大したと推察された。次年度の営農には、被害わらの影響はみられず、実収穫の大豆がある場合は保有窒素に基づいた対策を講じる。水稲の登熟は低下し千籾重は低下するが、1.9mm以上の粒厚で調整することで発芽率は90%で、種子として利用可能であった。