著者
小林 りか
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00027, (Released:2023-05-16)

本稿では冷凍生地への油の添加が与える,解凍後の生地や焼成パンの品質への影響を検討し得られた知見をまとめた.TGA構成脂肪酸の異なる4種類の油を添加した冷凍生地について,品質を検討した結果,油中の不飽和脂肪酸の比率によってドウや焼成パンの性状に異なる影響を与えることが分かった.ドウに添加する油は,冷凍生地中のグルテンの凝集性に影響を及ぼすと共にドウの伸展性を調整し,焼成後のクラムの骨格を変化させる傾向があった.
著者
小林 りか
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2015

東京海洋大学博士学位論文 平成27年度(2015) 応用生命科学 課程博士甲第389号
著者
小林 りか 田村 朝章 渡辺 学 鈴木 徹
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.155-161, 2015-06-30 (Released:2016-06-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

食品冷凍において,凍結,低温貯蔵,解凍といった一連の冷凍操作すべてが品質劣化に影響を与える.特に大部分をタンパク質で構成される魚介類の品質は,タンパク質の冷凍変性に大きく影響を受ける.そのような中,解凍過程におけるタンパク質変性挙動に関する研究は,凍結貯蔵過程と比較してあまり着目されてこなかった.そこで本研究では,マグロ魚肉の解凍過程でのタンパク質変性の反応速度をCa-ATPase 活性値を指標として算出し,解凍中保持温度よる影響を議論した.同時にドリップ流出量を測定して両者の相関性を検証した.結果として,10℃以下の解凍中保持温度によってタンパク質変性進行は抑制され,Ca-ATPase 比活性値とドリップロスには緩やかな相関関係が確認された.