著者
小林 亜矢香 今井 範子 牧野 唯
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.96, 2008

<B>【目的】</B>住宅内には,さまざまな種類の衣類が持ち込まれており,住まいにおいて衣類の収納は常に問題となっている.また,衣生活は多様化しており,居住者の生活と整合性のとれた収納計画がよりいっそう求められる.本報では,コートと外出着の帰宅後の更衣から収納までの流れに着目し,衣類の収納の現状と問題点を明らかにすることを目的とする.<BR><B>【方法】</B>全国各地の,独立住宅の居住者を対象に,質問紙調査を実施した.有効サンプルは,世帯票256 ,個人票505である(2007年11月実施).<BR><B>【結果】</B>1)コートの脱衣場所は,玄関の割合が最も高く,続いて,リビング,主寝室の割合が高い.玄関で脱ぎ,収納している世帯では,1階にコート用収納のある割合が高く,脱いだコートを「すぐに収納」している割合が高い.また,コートをリビングで脱ぎ,主寝室など個室に収納している世帯では,1階にコート用収納が「あると便利」と感じている割合が高い.2)一方,主な外出着の脱衣場所は,主寝室の割合が最も高く,次いで,リビングの割合が高い.夫妻が,主寝室で脱ぎ,主寝室に収納している世帯では,「収納スペースが足りないこと」や「更衣時に就寝中の家族のじゃまになること」に対する不満が比較的多い.また,外出着の収納について,不便を感じている世帯では,1階に外出着用収納が「あると便利」としており,とくに,「収納場所が分散していること」や「更衣場所と収納場所が離れていること」について,不便を感じている世帯では,1階の外出着用収納に対する要求の割合が高い.コートや外出着の収納に関しては,更衣場所も考慮し,計画することが必要である.