著者
小林 伸彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.1178-1181, 2001-10-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
17

走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて個々の原子を操作することにより,人工ナノ構造の作成が可能となっている.また,そのナノ構造の電気伝導特性を利用し,ナノテクノロジーへの応用も期待されている.本稿では,第一原理電子状態計算による原子操作や原子細線の電気伝導の研究を紹介し, STMによるSi原予引き抜きにおいて,探針による近接効果やバイアス電圧による効果がどのように働き原子が引き抜かれるか,また,個々の原子が連なったAl原子細線がどのような伝導特性をもつかを解説する.