著者
小林 未佳 柚本 玲 若月 宣行
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<b>目的</b> ホールガーメント編機によりニットワンピースを製作する場合、一般的には編目の増減により成型する。本研究では編目の増減をせずに、編目の大きさを変えることによって成型する、新しい製作方法の検討を行った。<b>方法</b> ホールガーメント横編機MACH2X(8G)およびデザインシステムSDS ONE APEX3(SHIMA SEIKI)により、糸2/48(毛100%)を用い平編みで製作した。編目の大きさは、編機の糸引込み量の設定項目である度目値により変更した。肩からワンピース裾までのよこ方向の編目数を同じにし、度目値設定の変更により編目の大きさを変えた。この変更により起こる寸法変化を利用してワンピースの成型を試みた。ワンピースを円筒に見立て、前身頃と後ろ身頃を同幅で編成した。<b>結果</b> 編成可能な度目値の範囲は度目値30~80であった。度目値10ごと(30、40、50、60、70、80)の1目あたりのたてよこの編目長さを測定し、度目値と編目長さの関係式を得た。肩からウエストまでの前後身頃幅は、仕上り肩幅の長さとし、本編機で編成するのに最適な度目値50で編成した。この場合に必要なよこの編目数を関係式から算出し、編目数136で編成した。裾に向かって幅が大きくなるようにウエストから度目値50から10ずつ80まで上げた。その結果、上半身は身体に沿い、ウエストから裾に向かって広がるフレアスカートワンピースを成型することができた。