著者
小林 英雄 森 香津夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.256-268, 2005-01-01
被引用文献数
12

OFDM通信方式は,周波数軸等化方式の採用により多値QAM等の高能率変調方式の同期検波が可能となり,マルチパスフェージング環境下において高速度・高品質のデータ通信の提供を可能としている.これらOFDM通信方式の優れた特性を達成するためには,マルチパスフェージング環境下における周波数軸上の伝送路特性を高精度に推定する必要がある.本論文では,これまでに提案されている離散フーリエ変換(DFT)を用いた伝送路推定方式の問題点について明らかにし,これら問題点を解決する解散コサイン変換(DCT)を用いた伝送路推定方式について提案する.また,0FDMAやMIMOシステム等での利用が検討されているスキャタードパイロットを用いた伝送路推定方式に対して適用可能なDCT法を用いた周波数軸補間法についても提案する.本論文では,提案方式の有効性について計算機シミュレーション結果より実証する.