著者
小林 雅子
出版者
佛教大学教育学部学会
雑誌
佛教大学教育学部学会紀要 = Bulletin of the Faculty of Education of Bukkyo University (ISSN:13474782)
巻号頁・発行日
no.17, pp.39-49, 2018

学生が大学で幾何学を学ぶにあたり,高校までのような,ユークリッド空間内の図形の問題を解くのではなく,ユークリッド空間の部分集合としての図形のとらえ方などを習得するため,集合の記号や不等号の表す領域等,それまで図形と関連しては意識していなかった対象物を再確認することになる。その際,大学の数学テキストでは往々にして当然のように用いられている数学記号や図形の表現方法が学生には定着しておらず,幾何の問題そのもの以前に表現方法の理解不足から問題解決に至らないことがしばしばある。 そこで本稿では幾何学初年度講義において学生に調査を行い,図形表現方法の定着がどの程度であるか考察する。大学幾何学教育図形表現ユークリッド幾何
著者
小林 雅子
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.79-87, 1997-07-30

在日外国人幼児・児童はフラストレーション状況の場面を見ると, 様々な言語反応を示す。本研究の目的は, 特に発達と在日期間の観点から, 在日外国人幼児・児童と日本人幼児・児童のフラストレーション場面に対する言語反応の特徴を見つけ出すことである。被験者は, 国際学校の幼児22名と小学生24名, 朝鮮学校の幼児30名と小学生27名, 日本の幼児29名と小学生30名であった。調査にはフラストレーション状況を華いたP-F子タディ型の課題が12枚用いられた。言語反応のカテゴリーは因子分析にかけられ, 「自己主張」「注意・不服」「自己抑制」「謝罪・感謝」の4因子が得られた。結果を以下に示す。友達との間で生じるフラストレーション状況場面で, 日本及び朝鮮学校の幼児は自己抑制反応を多く示し, 国際学校の幼児は自己主張反応を多く示すことがわかった。小学生の場合, 在日外国人と日本人の反応にはほとんど違いが見られなかった。国際学校の小学生の在日年数に基づいて反応を比較した結果, 友達との場面で違いが見られた。また, 在目朝鮮人幼児・児童の反応は, 日本人幼児・児童の反応とほとんど変わらないことがわかった。