著者
小柳 弘恵 金城 やす子 八田 早恵子 島袋 尚美 長嶺 絵里子 鯉淵 乙登女 鶴巻 陽子 大浦 早智 松田 めぐみ
出版者
名桜大学
雑誌
名桜大学紀要 = The Meio University bulletin (ISSN:18824412)
巻号頁・発行日
no.23, pp.131-138, 2018

少子化や核家族化に伴い、妊娠から出産、育児に不安を抱える母親は多く、適切なサポート体制の整備が求められている。私たちは保健師・助産師・看護師の資格を持った教員が、母子の健康に関わってきた経験を活かし、昨年度から、屋部に開設されている子育て支援センター『子育て広場・ヤッホーハウス』で育児相談のボランティア活動を行ってきた。1年間で受けた相談数はのべ86件だった。最も多かった相談内容は【子どもの身体症状】で、次に【子どもの皮膚症状・スキンケア】について、【卒乳・断乳】という結果だった。皮膚症状や卒乳に関しては時期や季節によって多くなる傾向があった。また,母親自身や上の子に関する相談内容もあり、病院を受診して医師に相談するほどではないことを、ちょっと相談する母親が多いことが推察された。"ちょっとしたこと"がすぐに解決することに、この活動の意義があるといえる。この活動が新しいエビデンスを基に変化する育児情報を母親たちに伝えていく機会になるとよいと考える。また、出産後~育児中の女性は、母親自身より子どもについての気になる事が優先される傾向にあるため、「ここにくれば自分のことも聞くことが出来る」と、母親自身の健康への関心やセルフケア行動に繋がっていくことが期待される。
著者
小柳 弘恵 鶴巻 陽子 島田 友子
出版者
名桜大学
巻号頁・発行日
no.23, pp.109-115,

フリースタイル出産は、「自由な姿勢」「自由な場所」「自由な心」で出産するスタイルである。産婦が自分の本能に合わせて自発的に動くため、産痛は軽減され、過剰な医療介入がなく自分と胎児の力で出産することから「自分で産んだ」という感覚を持ち、出産満足度が高いといわれている。WHOの勧告でも「胎児の安全性が確保できれば産婦はできるだけ拘束のない自由な姿勢で過ごすことができるように配慮されるべき」と記されている。しかし、沖縄県内の産科施設でフリースタイル出産を導入している施設はあまりない。本年、本学に助産学専攻科が開設された。その記念事業としてフリースタイル出産介助法の講習会を開催した。分娩時の損傷も少なく産痛軽減効果、出産満足度が高いフリースタイル出産が沖縄県北部で普及することを祈念して企画したものである。本稿では、講習会の概要および受講者の感想と、そこから見出された沖縄県北部における助産実践能力の向上と「安全・安心・満足できる」出産・育児環境整備のために本学が担う役割について報告する。