著者
小柳 浩子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第60回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.470, 2011 (Released:2012-02-13)

<はじめに>リンクナースは、臨床現場(以下現場)において、感染対策の実践モデルとなるとともに現場の現状を把握し問題提起を行うなどの感染対策を推進するうえで重要な役割がある。その役割を担うためには、感染対策の基礎知識の習得が不可欠であり、リンクナースへの教育は院内感染対策上重要である。当院では、リンクナースの感染対策の知識の習得は、自己学習など本人の努力に任せている。そのため、感染対策の知識に個人差がみられた。そこで、「感染対策の実践モデルとなる」、「現場の現状を把握し問題提起できる」を目指し、リンクナース育成教育(以下勉強会)を開始した。その試みを報告する。 <方法>1.月1回開催する看護部感染対策委員会の時間を活用し、15分間の勉強会を実施 2.講義内容は、感染対策の基礎知識が習得できるよう10回に系統だて構成 3.毎回の資料に前月の復習問題をつけ、講義前に解答する 4.10回の勉強会終了後、小テスト、アンケートを実施 <結果>勉強会は、委員会の時間を活用したことで、ほぼ全員参加。アンケートでは、全員が「リンクナースとして勉強会は役にたった」、「今後も勉強会を続けた方が良い」と回答。また、半数が、「勉強会の内容を部署のスタッフへ時々伝達していた」と回答しているが、「他のスタッフへの伝達が難しい」という意見もあった。事前に資料を配布していたが、予習や復習問題の取り組み率が低いことも明らかになった。 <結論>1.系統だてた教育により、感染対策の基礎知識が得られた。2.基礎知識を習得することで、リンクナースとしての責任感や役割を認識するきっかけになった。3.得た知識を実践に活かせるように継続的な教育と活動のサポートが必要である。以上のことが再確認できた。今後も、知識の向上を目指し勉強会を継続していきたいと考えている。