著者
青木 雅子 小泉 典夫
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.769-772, 1986-11-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
4
被引用文献数
3 12

(1) 石臼挽きしたそば粉から連続蒸留抽出装置(SDE装置)にて香気濃縮物を得,ガスクロマトグラフィーによる分析を行ない主要成分の含有量を求めた.(2) 更に1の主要成分について官能検査の手法を用いて閾値を求め1の結果とから各物質についてのオーダーユニットを算出した.(3) 2の結果によりnonanal, octanal, hexanal等がオーダーユニットが高くそば粉の香気成分として重要なものであることが分った.(4) 一方,そばを石臼製粉した直後から経時的にその香気濃縮物をガスクロマトグラフィーにて測定した結果nonanalを主成分とするピーク,hexanal, salicylal-dehyde, acetophenoneの製粉後1~2日間に於ける減少が著しかった.(5) 以上の結果より,砕きたてのそば粉の香りを特徴付けるものとしてnonanal, hexanalが重要な香気成分であることが分った.