著者
青木 雅子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.3_43-3_51, 2009-09-16 (Released:2011-08-30)
参考文献数
16
被引用文献数
4 2

先天性心疾患患者の小児期におけるボディイメージの形成過程を明らかにすることを目的に,グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した.先天性心疾患をもつ21名の成人患者に,小児期における身体に対する思いを回想してもらった.ボディイメージの形成過程は,もの心ついた時に認識した身体に対するあたりまえさを自分なりのあたりまえさに再構築していく『あたりまえさの創造』であった.【もの心ついたときのあたりまえさ】を基盤にし,友だち社会に進出して認識した身体心理社会的な【不都合さの実感】を,【同化への試み】【ジレンマとの駆け引き】【体内の調整力の発揮】をしながら,【自分らしいあたりまえさの再構築】へと変化修正させていた.体内感覚を頼りにしたボディイメージは,社会的営みを通して自己イメージへと創造されており,身体の適切な理解,他者からの了解,安心,コントロール感の獲得,他者との共軛,理想像との一体感,適応の実感を高めることが安定した自己構築につながると考えられた.
著者
青木 雅子 小泉 典夫
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.769-772, 1986-11-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
4
被引用文献数
3 12

(1) 石臼挽きしたそば粉から連続蒸留抽出装置(SDE装置)にて香気濃縮物を得,ガスクロマトグラフィーによる分析を行ない主要成分の含有量を求めた.(2) 更に1の主要成分について官能検査の手法を用いて閾値を求め1の結果とから各物質についてのオーダーユニットを算出した.(3) 2の結果によりnonanal, octanal, hexanal等がオーダーユニットが高くそば粉の香気成分として重要なものであることが分った.(4) 一方,そばを石臼製粉した直後から経時的にその香気濃縮物をガスクロマトグラフィーにて測定した結果nonanalを主成分とするピーク,hexanal, salicylal-dehyde, acetophenoneの製粉後1~2日間に於ける減少が著しかった.(5) 以上の結果より,砕きたてのそば粉の香りを特徴付けるものとしてnonanal, hexanalが重要な香気成分であることが分った.
著者
中山 恵二 三神 寛 濱松 優 青木 雅子 西 原潔 中村 進一
出版者
The Japanese Skin Cancer Society
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.297-299, 1991
被引用文献数
1

75歳女性の腹部に発生したエックリン汗管癌の1例を報告した。数年前より毎年暑くなると腹部に紅斑が出現。涼しくなると, 軽快することを繰返していた。初診時, 腹部に27×36mmの中心に潰瘍を形成する楕円形の結節を認めた。病理組織学的所見: 腫瘍細胞は表皮直下から一部脂肪織にかけて充実性に増殖しており, 細胞の大小不同, 核の異型性など悪性像を示し, 小管腔構造を伴って小胞巣を形成しながら増生していた。