著者
小澤 拓大 下斗米 淳
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.9-19, 2012-03-15

本研究は,意思決定におけるネガティビティ・バイアスの強度の非一貫性を説明する変数として結果関連関与を導入し,「結果関連関与が高い意思決定の方が結果関連関与が低い意思決定に比べネガティビティ・バイアスが強くなる」という仮説を検討することにより,その説明力を検証した。質問紙実験において,結果関連関与高条件と結果関連関与低条件の2条件を設定し,2つの選択肢のうち一方を選択する選択課題と,決定において重視した情報があればそれを指定する重視情報指定課題を実施した。分析の結果,仮説は支持された。そして,結果関連関与が意思決定に際しての心理的安全装置の作動を規定する可能性について議論された。