- 著者
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亀岡 恭昂
小玉 祥平
- 出版者
- 一般社団法人 日本教育工学会
- 雑誌
- 日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
- 巻号頁・発行日
- pp.S47023, (Released:2023-10-06)
- 参考文献数
- 18
本研究では,読解方略の産出欠如克服のために,読解方略を協調的な読解問題解決の文脈で学ぶ教育プログラムをデザインし,物語文及び論説文における10個の読解方略について中学生12名を対象に実践し,読解方略の有効性認知や効力感,コスト認知の観点からその効果を検討した.質問紙への回答と振り返り記述を総合したところ,全方略で有効性の認知が向上し,一部方略では効力感向上やコスト認知低減がみられた.また,読解問題解決の文脈で読解方略を学ぶことは読解方略習得に寄与した可能性も示唆された.一方で,協調が読解方略習得に寄与するには,学習者が読解方略の活用方法を具体的に共有することが必要である可能性も示唆された.