著者
吉田 成朗 鳴海 拓志 廣瀬 通孝
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.266-271, 2013-09-27

本研究では,皮膚電気活動を用いた接触情報を利用してキス行為に新たな価値を付加し,人前でのキス行為の誘発を目的としたエンタテイメントシステムを提案する.カップル間でのコミュニケーションの手法としてお互いの唇を重ね合わせるキス行為がある.そうした,カップル間の行為を拡張するため,キスによって二人の写真がデコレーションされるフォトフレームを開発した.被験者実験により提案システムによって,カップル間のキス行為が誘発されることを確認した.
著者
谷中 俊介 小坂 崇之 服部 元史
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.178-181, 2013-09-27

本研究では,睡眠不足の原因の一つである不安に対し,ユーザへの安心感を与えることを目的とした「ZZZoo Pillows」を提案する.本システムは,抱き枕に内蔵した風船に空気を送り込むことで,呼吸する人間の胸部のように膨張と収縮を行い,抱き枕内に温水を循環させることで,人と添い寝しているような温もりを提示する.また,重ねたゴムの間に空気を流し振動させることで,いびきのような音を発生させる.これによりユーザの情緒の安定や安心感を与えることを狙う.アンケート調査の結果,ユーザの主観評価では,本システムのように抱き枕が人の呼吸や体温を提示することで睡眠を誘発すると感じていた.
著者
河野 通就 星 貴之 筧 康明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.41-46, 2013-09-27

本研究では,素材に対して外的な刺激や力を与えることにより,その素材特有の「生き物」のような振る舞いを抽出・表現することを目的としている.今回,筆者らは,音響浮揚によって粒状の物質を浮遊させ,あたかも小さなムシのように実世界の三次元空間上を移動させることを可能にし,さらに空中の粒子と人間との身体的なインタラクションを実現する.本稿では,コンセプト,システムの詳細,および実装したインタラクションについて報告する.
著者
笹尾 和宏 高須 正和 関 治之 奈良部 隆行 山本 光穂 飯田 哲 山本 博之 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.324-329, 2013-09-27

本論文では,顔認識技術と集合知に基づき,主に月および火星表面から俗に「人面岩」とも言われる,人の顔の形をした構造物の探索について報告する.我々はBrightness Binary Feature をはじめとする複数の顔認識アルゴリズムを併用し,NASA が提供した膨大な月および火星表面の衛星画像から人面状構造物を検出した.さらに,検出した映像をユーザが鑑賞,レーティングし,質の良いものを抽出するアプリケーションを試作した.
著者
小玉 祥平 市川 みさ希 太田 高志 羽田 久一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.20-25, 2013-09-27

コンサートやスポーツ・イベントにおいて観衆の一体感を生成するシステムが広まりつつある.本論文では,事前の準備を必要とせずに複数の端末上のブラウザを一元的にコントロールできるシステムを提案する.本システムはWebSocketとHTML5によって構成されており、ブラウザを用いて特定のURLにアクセスするのみでデバイスを表示やコントロールに利用することが可能となる.本システムは参加型のライブパフォーマンスとして利用できる.
著者
菅原 衣織 伊藤 貴之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.51-55, 2013-09-27

概要:声色の印象が与える効果はコミュニケーションにおいて約4 割を占めるという考え方がある.これは声色が言葉以上にものを語る可能性を示唆している.本研究では倍音という観点から音声を分析し,声の傾向を視覚化し提示することで,ユーザの目指す理想の声に近づけるような支援システムの開発を目標にしている.その前段階として,専門知識の無いユーザでも自分の声の傾向を把握できるプロトタイプのアプリケーションを提案する.
著者
北田 大樹 白井 暁彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.117-122, 2013-09-27

概要:スマートフォン上でのエンタテイメントコンテンツ閲覧時のリアルタイム行動分析手法について報告する.「楽しみ」は主観的な人間の感情であるが,「笑い」は視聴者の不随意運動として,スマートフォンの高分解能加速度センサにて得ることが可能である.スマートフォン上での映像視聴時に起きる自然な不随意運動を,スマートフォン上の高分解能加速度センサを用いて取得し,視聴者の主観的な情動を統計的かつ集合的に分類取得するアルゴリズムおよびアプリケーション開発を行っている.実験システムは,データ収集のためにRuby とSinatra フレームワークによって開発されており,将来的な実装として,WebSocket のサーバーサイドJavaScript での実装であるNode.js を用いて,Web ベースの分散非同期接続での実装可能性を検討し,LAN/WAN 環境においてベンチマークを行った.推定アルゴリズムは,ムービープレイヤーアプリケーション「L-PoD」に実装され,同一のエンタテイメント・コンテンツにおける被験者間の笑いの特性の違いをProperty of Difference (PoD) として視覚化することができる.
著者
戸田 光紀 杉浦 裕太 平場 吉揮 稲見 昌彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.317-323, 2013-09-27

本研究では,絨毯などの表面に任意の絵や文字を描画できるインタラクティブなデバイスを提案する.提案するデバイスは,絨毯を指などで一定の方向になぞる際に濃淡の度合いが異なる跡ができる現象を利用し,ドット絵のように一定の間隔で絨毯をなぞることで絨毯の濃淡差により絵や文字のパターンを出して絨毯への描画を実現する.絨毯には特別な加工を施さないため,絨毯の質感を保ちつつ,何度も絵や文字を書き換えていくことが可能となる.
著者
飯田 聡 甲斐 誠也 高見 友幸
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.91-96, 2013-09-27

摩訶大将棋は鎌倉時代に創案された大将棋のひとつである.我々の研究グループでは,古文書の記述に基づいた摩訶大将棋の復刻に取り組んでおり,駒の動きや成りのルールについては,ほぼ解明が終わっている.これまでの通説では,摩訶大将棋はその駒数の多さから考えて,実際には指されていなかっただろうとされていたが,そうではなく,実際には非常に面白い対局が実現する.ただ,初心者にとっては,ルールの煩雑さが問題となるため,我々は,対局支援ツールとしてのデジタル摩訶大将棋の開発にも取り組んできた.デジタル摩訶大将棋は,通常の対局モードの他,ネットワーク対局モード,ゲームAIと対局するモードがある.発表では,デジタル摩訶大将棋が持つ対局支援機能,棋譜の保存・再生機能,ゲームAIの機能について解説するとともに,対局を重ねてきたことで得られた摩訶大将棋の戦略についても言及する.
著者
長岡 俊男 伊藤 毅志
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.182-187, 2013-09-27

概要:本研究では,Kinect で取得した身体データから特異値分解で技ごとの特徴量を抽出してデータベース化し,それを用いて技判定を行うシステムを提案した.扱う関節数を増やす,類似度の計算法を変えるなどの実験を行い,判定率の変化について考察した.また特異値分解の有無による判定率の違いや,判定時間に関する実験も行った.
著者
岩田 まどか 隼田 尚彦 向田 茂 齋藤 一 安田 光孝 大島 直樹
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.71-76, 2013-09-27

これまでプログラムの可視化・可聴化を取り入れた学習支援手法の研究が多く行われてきた。しかし,メディアアートのような視覚的な魅力に着目した研究はあまり見られない。本研究では,ソースコードの可視化・可聴化を行うプログラミング学習支援システムと学習者との間に起こるインタラクションに着目した。この相互作用を通じて獲得されるメタ認知の仮説を示し,メディアアートのエッセンスを用いたアプリケーションのプロトタイプを開発した。
著者
宮崎 陽平 安藤 正宏 藤田 悠矢 羽鹿 諒 Ondreicka Merrielle 伊藤 雄一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.238-241, 2013-09-27

我々は,鏡状のディスプレイ上で結露の発生・消滅を制御し,結露に対して自由に落書きしたり,落書きを修正したりすることができる新しいインタラクティブなディスプレイ「ケツログラフィティ」を提案する.結露は指で触れることで加工することができ,落書きをしたり,文字を書き込んだりすることができる.しかし,一度描いた落書きを修正することは困難で,一度描いたものは時間とともに消えてしまい,その絵を保存・再現することはできない.本システムでは,ディスプレイ面の任意の位置の冷温を制御することで,その位置における結露の生成・消滅を制御する.これにより,結露で情報を提示することが可能となり,結露の復元や加工が可能となるだけでなく,結露を指でなぞることにより,インタラクティブに情報を加工することもできる.また,任意の位置に結露を発生させることで,誤った場合に修正したり,一度描いた落書きを記録,再生したりすることもできる.
著者
久保 友香 朏島 一樹 山崎 俊彦 相澤 清晴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.128-131, 2013-09-27

近年,カメラ撮影によって日々の衣服を記録することがさかんである.多くの人は「衣服ログ」をスマートフォンのディスプレイで閲覧しているが,姿見サイズの大型ディスプレイに等身大で表示すれば,より臨場感ある閲覧ができるはずである.本研究では,過去の「衣服ログ」を等身大で表示し,現在のユーザの顔を撮影してリアルタイムで合成することによって,衣服の着用を追体験できるシステムの構築を行った.
著者
藤井 叙人 佐藤 祐一 若間 弘典 風井 浩志 片寄 晴弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.26-33, 2013-09-27

概要:ビデオゲームエージェント(COM)の振る舞いのデザインにおいて,『強い』COM の自律的獲得は「熟達者に勝つ」という目標を達成しつつある.一方で,獲得されたCOM の振る舞いは,過度に最適化され機械的に感じるという課題が浮上している.この課題を解決するため,著者らは,『人間の行動原則』を課した強化学習や経路探索により,人間らしいCOM を自律的に構成するフレームワークについて提案してきた.しかし,それらのCOM が本当に人間らしいと解釈されるかどうかの検証が不十分であった.本論文では,自動獲得されたCOM の振る舞いについて主観評価実験を実施する.