著者
竹田 琢 亀岡 恭昂
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S47091, (Released:2023-10-27)
参考文献数
14

大学の授業でワークショップ実践者を育成する際,学生が読み手である教員を強く意識することで,多様なリフレクション記述が阻害される可能性がある.そこで本研究では,初心者を対象にワークショップ実践者育成を行う短期大学の授業において,仮想の読み手として「過去の自分」を設定することでリフレクションを支援し,その効果を検討した.その結果,単に経験を「報告」する記述が減り,自分自身が取り組んだ経験について省察する「応用」の記述が増え,多様な観点から批判的で将来の行動に繋がるリフレクションができるようになる可能性が示唆された.
著者
亀岡 恭昂 小玉 祥平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S47023, (Released:2023-10-06)
参考文献数
18

本研究では,読解方略の産出欠如克服のために,読解方略を協調的な読解問題解決の文脈で学ぶ教育プログラムをデザインし,物語文及び論説文における10個の読解方略について中学生12名を対象に実践し,読解方略の有効性認知や効力感,コスト認知の観点からその効果を検討した.質問紙への回答と振り返り記述を総合したところ,全方略で有効性の認知が向上し,一部方略では効力感向上やコスト認知低減がみられた.また,読解問題解決の文脈で読解方略を学ぶことは読解方略習得に寄与した可能性も示唆された.一方で,協調が読解方略習得に寄与するには,学習者が読解方略の活用方法を具体的に共有することが必要である可能性も示唆された.
著者
亀岡 恭昂 喜多 恒介
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45019, (Released:2021-11-15)
参考文献数
15

労働市場の流動性が高まる現代社会では、柔軟性と一貫性を兼備した「ナラティブ・アイデンティティ」の構成が重要である。そこで、人生に一貫した意味を与える視点となる「キャリアテーマの構成」と変化に適応し続けるための「キャリア適応性の育成」を教育目標とし、キャリア構成理論やACT、社会的学習理論を踏まえたデザイン原則に則り、2泊3日のワークショップをデザインし、大学生や大学院生などを対象に実践した。自由記述の分析からは参加者のキャリアテーマ探索・構成に寄与したことが示唆された。また、キャリア適応性を特性的自己効力感尺度によって測定したところ、有意な向上が見られ、効果量は中程度であった。