著者
小田 尚也
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

下院議院269人中、6割を越える166議員(61.7%)が土地所有者として認識されており、パキスタン国政において依然として土地と権力の結びつきが見られる。しかしこの数値はパンジャーブ州の数値に大きく影響されている。パキスタン経済の中心であるパンジャーブ州では下院選出議員の8割近くが大土地所有者である。地方政治においては在地権力の存在が依然として見られるが、国政レベルにおいては土地と権力との結び付きが低下しているとの見方が多い。パンジャーブ州を除く3州ではその傾向が見られるようであるが、パンジャーブ州では依然として在地権力が国政において大きなプレゼンスを誇っていることが確認できた。
著者
小田 尚也
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は米国同時テロ事件以降大きく変化した海外からパキスタンへの送金パターンを分析し、その要因と送金の経済的役割を分析した。特に米国からの送金に焦点を当てた。米国からの送金が急増した要因として、インフォーマルな送金への規制、米国に資産を持ち続けることへの不安、パキスタン経済の成長などを指摘した。中東からの送金が受け取り家計の日々の消費ニーズに使用される一方、米国からの送金は経済的な利益を追求する目的として利用されていることを議論した。