著者
小石 麿由桂
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.182_1, 2016 (Released:2017-02-24)

本研究の目的は水泳の自由形におけるターン動作の速い選手と遅い選手の動作の違いを比較検討し、速いターン動作の特徴を明らかにすることであった。大学競泳選手男子8名のターン動作を高速度カメラで撮影し二次元動作分析を行い、ターンタイムは壁から3mの地点を通過し、ターン動作を終え再び通過するまでとした(3RTT)。水平方向の頭頂及び重心の移動距離と第1局面(最終ストロークのキャッチから頭を下げるまで)タイム(r=0.64、0.82)、垂直方向の重心移動距離と第3局面(足が壁に接地している間)タイム(r=0.69)の間に有意な相関がみられたが、第2局面(頭が下がり、足が壁に接地)のタイムと3RTTには相関がみられなかった。F.Puelら(2012)は「最高のターン時間は回転を開始する時の頭から壁との距離、水平速度の力のピーク、ターンの間の通り道の長さの削減によりもたらされる」と述べている。これらのことから3RTTを短くするためには以下のことが重要である。1)ある程度壁に近づいて回転開始時の頭と壁との距離を短くし、第1局面の移動距離を短くする。2)第3局面のタイムを短くするために垂直方向の動きを小さくする。