著者
小菅 律 藤田 悟郎 岡村 和子
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.13-27, 2011-03-31 (Released:2017-09-30)
参考文献数
32

本研究の目的は,暴走族集団の特徴に基づき類型化を行い,各群に分類された暴走族少年の特徴を分析し,類型別に効果的な対策を提言することである。都道府県警察で質問紙を配布し,共同危険型暴走族集団に現在加入している152人,かつて加入していた224人の男子少年を対象とした。多重対応分析の結果,集団の組織化程度,集団の人数の2次元が得られた。この2次元の成分スコアに基づきクラスター分析を行い,以下の3群に分類した。HoM群は高組織化・中人数の群で,非行経験が多く,学校・家庭への適応が悪いため,組織化程度を下げ,他の居場所を作るという対策を提示した。MoL群は中組織化・多人数の群で,学校・家庭への適応がよく,非行経験は少なく,暴走族の非行集団以外の側面に魅力を感じた可能性が考えられ,こうした興味に対処することを提起した。LoS群は低組織化・少人数の群で,自発的な集団結成の可能性が示唆され,取締りの必要性を指摘した。また,3群には地域差が見られた。
著者
木平 真 小菅 律 岡村 和子 中野 友香子 藤田 悟郎
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.212-221, 2016

<p>パトカーは,警察活動における特殊な使われ方のため弁別されやすい外観をしているが,他の交通参加者との衝突を防ぐためにはパトカーの視認性は重要である.本論文では車両後部デザインの変更が車間距離の評価にどのように影響するか,コンピューター画面による実験で基礎的な検討を行った.結果,「POLICE」表記を付加すると車間距離の評価に影響を及ぼす可能性があること,および「POLICE」表記に下線を追加することによりこの実験環境では距離の評価が改善し,改善案になり得ることが判明した.</p>
著者
木平 真 小菅 律 岡村 和子 中野 友香子 藤田 悟郎
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.212-221, 2016-10-20 (Released:2017-11-28)
参考文献数
11

パトカーは,警察活動における特殊な使われ方のため弁別されやすい外観をしているが,他の交通参加者との衝突を防ぐためにはパトカーの視認性は重要である.本論文では車両後部デザインの変更が車間距離の評価にどのように影響するか,コンピューター画面による実験で基礎的な検討を行った.結果,「POLICE」表記を付加すると車間距離の評価に影響を及ぼす可能性があること,および「POLICE」表記に下線を追加することによりこの実験環境では距離の評価が改善し,改善案になり得ることが判明した.
著者
岡村 和子 藤田 悟郎 小菅 律 サンドラ シュミット-アーント
出版者
日本交通心理学会
雑誌
交通心理学研究 (ISSN:09109749)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1-25, 2014 (Released:2020-04-18)
参考文献数
87

In many motorized countries, concern has been growing about driving under the influence of substances other than alcohol, i.e. illicit drugs such as cannabis and amphetamine, as well as medicinal drugs such as sedatives and antihistamine. These drugs affect central nervous system, thus may impair driving performance and pose danger to traffic safety. The nature of the problem and the current scientific evidence is yet unknown in Japan. This report aimed to overview the issue of drug driving by way of systematic literature search of studies published between 2000 and 2012. A total of 62 peer-reviewed articles and relevant reports have been identified that include meta-analyses, systematic/narrative reviews, or original investigations into the risk of traffic accident or impairment caused by drug driving. The present work attempted to summarize epidemiological research estimating accident risk of drug driving, experimental research investigating effects of drug impairment on driving performance, and finally, current interventions aiming at efficient detection of drug driving. Further research needs, future research direction in traffic psychology, and implication to traffic safety in Japan is discussed.