著者
和田 知子 小蔵 要司 木元 一仁
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.1186-1190, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
22

恵寿総合病院回復期リハビリテーション(以下、リハと略)病棟では、2014年7月からリハ栄養チームを立ち上げ栄養サポートを行っている。リハ栄養チームの目的は、患者の不要な体重減少を予防し、骨格筋量を維持(もしくは増加)してリハの効果を高めるための身体作りをすることである。毎週の体重測定で栄養スクリーニングを行い、多職種でリハ栄養カンファレンスを行っている。カンファレンスではサルコペニアの有無、介入時の栄養状態、リハの時間や強度を評価した上でケアプランを作成し、栄養管理やリハプログラムに反映させている。「栄養から見たリハ」と「リハから見た栄養管理」の実践がリハ栄養チームの特徴である。2014年12月から2016年3月にリハ栄養チームが介入した17名を対象に介入後の効果を検証した。リハ栄養チーム介入前後の比較では、摂取エネルギー量が有意に増加(250kcal/日)し、低栄養の割合が76.4%から47.1%に減少した(P=0.058)。回復期リハ病棟におけるリハ栄養チームの活動は、摂取エネルギー量増加に寄与する可能性がある。栄養状態と日常生活動作の改善については今後更なる検証が必要である。
著者
吉村 由梨 若林 秀隆 前田 圭介 西岡 心大 小蔵 要司 中原 さおり
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.964-970, 2017 (Released:2017-06-20)
参考文献数
13

【目的】リハビリテーション栄養研修会への参加と、サルコペニアの評価とリハビリテーション栄養管理の実践の関係について検証した。【対象および方法】日本リハビリテーション栄養研究会会員4,621名を対象にオンライン調査を実施した。研修会参加の有無と筋力・筋肉量・身体機能測定、エネルギー蓄積量を考慮した栄養プランニング実施、栄養補助食品使用、栄養からみたリハビリテーションの考慮で、単変量解析、多変量解析を行った。【結果】715名(15.5%)の有効回答を得た。研修会参加者は536名(75%)、非参加者179名(25%)であった。筋肉量の測定・評価、エネルギー蓄積量を考慮した栄養プランニング実施、栄養からみたリハビリテーションの実施は、研修会参加群で有意に多く、参加回数が増えるごとに各項目のオッズ比が向上した。【結論】サルコペニアの評価とリハビリテーション栄養管理の実施は、リハビリテーション栄養研修会の参加の有無および参加回数と関連していた。