著者
小西 孝明 道満 恵介 縄野 繁 目加田 慶人
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.46-50, 2019-01-25 (Released:2019-01-31)
参考文献数
6

現在,肝がんは専門の知識や経験をもった読影医の目視で診断がなされており,読影医の負担となっている.そのため,機械学習等を用いた読影支援が望まれている.機械学習においては,一般に多くの症例画像が必要となるが,大量に集めることは困難である.そこでわれわれは,症例不足を補うことを目的とし,健常症例に対して病変を合成することで人工的に症例画像を生成することに取り組んできた.本論文では,形状や大きさ,コントラストが異なるさまざまな見え方の人工病変画像を生成し,CNNの性能向上に有効な画像の生成法を提案する.生成した病変画像を学習データとして実病変画像と併用し,検出器を構築した.20症例に対する検出実験の結果,従来手法より検出精度が向上することを確認した.
著者
井上 修平 藤野 昇三 手塚 則明 紺谷 桂一 小西 孝明 澤井 聡 花岡 淳 一瀬 増太郎 寺本 晃治 森 渥視
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.545-550, 1999-05-15
被引用文献数
4

症例は60歳女性で, 膠原病, 膜性腎症等のため長期間ステロイドを投与されていた.1997年12月中旬から咳嗽, 喀痰が出現し, 翌年1月2日に39.3℃の発熱がみられた.1月4日に突然の右胸痛, 呼吸困難が出現し, 翌5日に緊急入院となった.入院時には発熱, 心肺不全を伴い起座呼吸, チアノーゼが認められた.胸部X線, CT写真では右胸腔の2/3を占める下葉中心の巨大肺嚢胞が認められ, 上中葉の無気肺, 胸水も存在した.血液検査ではCRPの高値及び低酸素血症が認められた.感染のコントロールのために抗生剤の投与をすると共に, 胸腔ドレナージ及び肺嚢胞内吸引療法を施行した.肺嚢胞吸引療法で嚢胞の増大進行を防止し, 胸腔ドレナージで呼吸不全から離脱できたため, 1月13日に安全に肺嚢胞切除術を施行できた.術後経過は順調であり術後3週間目に退院となった.
著者
藤野 昇三 榎堀 徹 桂 敦史 花岡 淳 小西 孝明 浅田 佳邦 山下 直己 朝倉 庄志 加藤 弘文 森 渥視
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.89-94, 1994-02-20

上皮成長因子受容体Epidermal Growth Factor receptor(EGFr)を, 50例の原発性非小細胞肺癌切除組織において, ^<125>I-EGFを用いた。competitive binding assay法で測定し, 各種臨床パラメーターと対比した.50例の平均assay値(平均値±標準偏差値)は, 31.83±44.07fmol/mg・pで, I期21.25±18.99, II期13.20±12.85, IIIA期41.28±69.27, IIIB期30.08±34.28, IV期57.67+63.50, N_0 26.12±33.21, N_1 14.88±12.75, N_<2,3> 54.55±65.14であった.進行症例で高い傾向にあり, I期とIV期, 早期(I, II期)(19.39±17.86)と進行期(III, IV期)(45.31±58.53), N_0とN_<2,3>, N_1とN_<2,3>およびN_<0,1>(23.00±29.25)とN_<2,3>の問にp≦0.05で有意差が認められた.組織型, T因子, 性別, 年齢などとは, 関連は認められなかった.肺癌組織中のEGFr値は, 核酸量などと同様に肺癌の性格を表すものとして, 予後に関連する可能性があるものと考えられた.