- 著者
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今枝 奈保美
道満 恵介
目加田 慶人
- 出版者
- 東海公衆衛生学会
- 雑誌
- 東海公衆衛生雑誌 (ISSN:2187736X)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.1, pp.60-69, 2018-07-07 (Released:2018-12-01)
- 参考文献数
- 18
目的 食事アセスメントの標準化を目的に,食品・料理の容量(かさ)を重量に換算する係数(容量密度)の状況を明らかにする。容量密度は,現在の日本の食品成分表には収載されていない。方法 米国とニュージーランドの食品成分表を対象に,栄養量が容量当たりで示されている食品を検索し,食品の容量密度(g/cm3)を観察した。容量の単位はカップ,液量オンス,大さじ,小さじ,ミリリットルとした。結果 米国の食品成分表では,容量密度の出現率は42%(8,257食品中3,476食品),ニュージーランドの出現率は92%(2,631食品中2,423食品)であった。容量密度の最頻値は1.0で,0.2と0.6にも山があり,容量密度が低値(0.1~0.2程度)は朝食用シリアル,ポテトチップス等で,容量密度が高値(1.3)だったのは蜂蜜,シロップ等であった。同じ食品であっても野菜やチーズ,肉料理は切り方や物理的な形状によって容量密度が異なっていた。結論 容量密度は両国間の誤差があったが,汁物やステーキ肉,魚,果物など容量に隙間のない食品は1.0,約2cm角の具材で容量に隙間がある料理は0.6~0.8前後,線キャベツのようにふんわりと粗の状態は概ね0.3と見積もること等が示唆された。食事の容量は写真からも把握できるので,食事アセスメントをする時は標準化した容量密度を整備しておくと便利であろう。