- 著者
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             井上 修平
             
             藤野 昇三
             
             手塚 則明
             
             紺谷 桂一
             
             小西 孝明
             
             澤井 聡
             
             花岡 淳
             
             一瀬 増太郎
             
             寺本 晃治
             
             森 渥視
             
          
- 出版者
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
- 雑誌
- 日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.4, pp.545-550, 1999-05-15 
- 被引用文献数
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             4
             
             
             
          
        
        症例は60歳女性で, 膠原病, 膜性腎症等のため長期間ステロイドを投与されていた.1997年12月中旬から咳嗽, 喀痰が出現し, 翌年1月2日に39.3℃の発熱がみられた.1月4日に突然の右胸痛, 呼吸困難が出現し, 翌5日に緊急入院となった.入院時には発熱, 心肺不全を伴い起座呼吸, チアノーゼが認められた.胸部X線, CT写真では右胸腔の2/3を占める下葉中心の巨大肺嚢胞が認められ, 上中葉の無気肺, 胸水も存在した.血液検査ではCRPの高値及び低酸素血症が認められた.感染のコントロールのために抗生剤の投与をすると共に, 胸腔ドレナージ及び肺嚢胞内吸引療法を施行した.肺嚢胞吸引療法で嚢胞の増大進行を防止し, 胸腔ドレナージで呼吸不全から離脱できたため, 1月13日に安全に肺嚢胞切除術を施行できた.術後経過は順調であり術後3週間目に退院となった.