著者
小西 拓海 宇都宮 正志 岡田 誠 田村 糸子
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.129, no.1, pp.469-487, 2023-10-31 (Released:2023-10-31)
参考文献数
50

本研究では下部更新統上総層群下部(前弧海盆堆積物)と千倉層群畑層(海溝陸側斜面堆積物)について古地磁気層序とテフラ層序に基づく時間面対比を行った.上総層群勝浦層最上部と大原層上部~黄和田層にFeni(Réunion)正磁極亜帯とOlduvai正磁極亜帯に相当する正磁極性がそれぞれ確認され,それ以外の層準でMatuyama逆磁極帯に相当する逆磁極性が確認された.千倉層群畑層のテフラ層Kmj-3,Kmj-10,Kmj-18,Kmj-29,Kmj-41,Kmj-53,Kmj-68,およびKmj-71が上総層群のテフラ層Kr31,KRm,KH2,IW2,OFN2,KB,HS C,およびHS Aにそれぞれ対比された.これらのテフラ対比は古地磁気層序と調和的であり,上総層群のテフラ層IW2はFeni正磁極亜帯内,HS CはOlduvai正磁極亜下部境界の直下,HS Aは同境界直上にそれぞれ位置することが示された.