著者
小谷 俊之 黒田 晃
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.44-46, 2007-03-31 (Released:2017-02-13)
参考文献数
3

登熟期の高温条件においても乳白粒発生を軽減できる稲体栄養条件を検討するため,登熟初期から中期にかけて茎葉乾物重および葉色を調査し,乳白粒発生率との関係を解析した.その結果,登熟初期の稲体栄養状態と乳白粒発生率との関係は見られなかったが,登熟初期から中期にかけて稲体の栄養凋落や消耗が大きいと,乳白粒の発生増加を招くことが明らかになった.
著者
黒田 晃 畑中 博英 小谷 俊之 金田 哲郎
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.39-43, 2007

鉄道高架橋による日照阻害が,隣接する水田の水稲に及ぼす影響を検討した.調査地点の全天のうち高架橋や山,樹木等を除いた空の部分の比率(全天に占める空の比率,以下空の比率と記す)と日射量の日積算値との間には,夏至近くでは高架橋の南北両側ともに正の相関(南側r=0.378^*,北側r=0.746^<***>,^*は5%,^<***>は0.1%水準で有意)があり,8月には北側にのみ正の相関(r=0.668^<***>)があった.高架橋側端直下から高架橋の高さ(HT)に対する相対距離が2倍の地点(2.0HT地点)では,全天に占める空の比率の平均値は71.1%であった.全天に占める空の比率と水稲の収量には正の相関があり(南側r=0.463^*,北側r=0.734^<***>),2.0HT地点に対する減収率は,北側の1.0HT地点で8.1%,0.5HT地点で15.1%,南側ではそれぞれ4.2%,7.8%と試算された.収量構成要素では全天に占める空の比率の低下に伴い穂数が減少し,その影響は北側で大きかった.また登熟歩合も収量低下の要因となった.千粒重は,北側は南側に比べて低かった.