著者
小谷 健司
出版者
愛知教育大学数学教育講座
雑誌
イプシロン (ISSN:0289145X)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.43-52, 2009-12-12
著者
小田 奈緒美 淺野 卓司 江島 徹郎 小谷 健司 高橋 岳之
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教職キャリアセンター紀要 (ISSN:24240605)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.93-100, 2016-03-31

本研究の目的は、異なる大学、異なる学習歴を持つ学習者が、協働してICTを活用した学びの実践を通して得られる効果を検討することである。筆者らは、主に2014年度から、教員や保育士の養成の高度化を目指して、愛知教育大と桜花学園大の「協働授業」を実践してきた。まず学部での授業を対象に行い、次に修士レベルでの開講を目指した。2つの大学は離れているので、テレビ会議システム等のICTを活用し、また異なる大学の学習者が同じ体験型学習を共同で行う等し、直接会う機会も設けた。体験型学習は小学校の公開授業への見学とした。これら協働的学びの実践よって、主に以下の3つのことが強く示唆された。(1)学習者は、多様な考え方への気づきがあったことが強く示唆された。これは、異なる大学、異なる学習歴での協働授業による意見交換によるものと考えられ、協働的学びによる効果であると推測できる。(2)一方で、学習者は、協働的学びにおいて、それぞれに共通すると考えられる体験を前提とすることが必要であると考えられた。学習者は、これら共通する体験以外の議論はほぼできなかった。(3)テレビ会議システム等のICTの活用は、ある程度有効に機能した。機器に不調があり、活用できなかった授業の学習者の評価が低かったこと等から推測できる。しかし、こうした不調は、機器の運用等に問題があることも示唆している。異なる大学が連携してのICTを活用した協働的学びには、一定の範囲での効果が期待できることが強く示唆された。