著者
小豆畑 丈夫
出版者
一般社団法人 日本在宅救急医学会
雑誌
日本在宅救急医学会誌 (ISSN:2436066X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.13-16, 2021

<p> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大がとまらない今、在宅医療の現場においても、その対応が求められている。新型コロナウイルスの検査・診療が、保健所から地域のかかりつけ医に委譲された現在(2020年10月以降)、在宅医療の現場でも、積極的にSARS-CoV-2のPolymerase Chain Reaction (PCR)検査を試行すべきと考える。在宅患者が、COVID-19が疑われるか、その濃厚接触者の疑いがある場合、在宅にて、PCR検査の検体採取を行うことを考慮すべきである。また、患者の住環境や検査の精度を鑑みて、咽頭拭い法と唾液法のどちらかを選択すべきと考える。</p>
著者
中村 謙介 中野 秀比古 奈良場 啓 小豆畑 丈夫 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本在宅救急医学会
雑誌
日本在宅救急医学会誌 (ISSN:2436066X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.51-60, 2021-12-31 (Released:2021-07-20)
参考文献数
28

急性期疾患とその治療に伴い身体や精神面にさまざまな障害を負うことがしばしばみられ、特に高齢者は回復 力の低下から障害を負いやすい。これまで急性期医療後の障害は集中治療後症候群や入院関連障害などの形で取り扱われてきたが、広く救急医療後の障害を検討するため、PACS(post-acute care syndrome)という概念を提唱した。 PACS は身体障害、認知機能障害、精神障害の3 つに分けて検討することができ、それぞれの評価バッテリーを適切に用いることで評価が可能である。超高齢社会である日本においてPACS を検討し対策することは急務であり、急性期病院と在宅医療やプライマリケアとの情報連携を立ち上げる必要がある。