著者
小野 純子
雑誌
人間文化研究 = Studies in Humanities and Cultures (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.49-71, 2017-07-20

台湾は1895 年より約50 年間、日本の統治下に置かれた。その間台湾では同化政策がとられ、日本人の日本語による教育などが行われた。その政策は宗教面でも取られ、日本の国家神道を植民地に根付かせようと試み、50 年間で台湾各地には多くの神社が創建された。本論は、その中でも「嘉義」に注目する。嘉義は、1920 年の地方制度改正によって、台南州に組み込まれ格下げされた街である。本論では、1920 年代の嘉義「街」と共に歩んできた嘉義神社の創建を振り返り、当時の周辺学校や学生らとの関わりについて考察した。本論により、これまで別々に論じられてきた「街」「学校」「神社」のつながりが浮き彫りとなった。