著者
小野塚 雄一 井上 和久
出版者
日本支援工学理学療法学会
雑誌
支援工学理学療法学会誌 (ISSN:24366951)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.13-21, 2022-09-25 (Released:2023-09-25)
参考文献数
31

目的:脳卒中片麻痺者において、長下肢装具の有無が静的立位時の重心動揺と前額面アライメントに与える影響を明らかにすること。方法:対象は初発脳卒中片麻痺者9名。方法は長下肢装具の有無にて、重心動揺計を用いて測定し、前額面アライメントをデジタルカメラにて撮影し、ImageJにて解析を行った。統計解析は2群間比較をWilcoxonの符号付順位和検定にて分析し、各項目をSpearmanの相関分析で行った。結果:総軌跡長、外周面積、矩形面積、実効値面積、単位面積軌跡長、荷重率に有意差は認められ、体幹傾斜角度、骨盤傾斜角度および非麻痺側股関節内転に有意差が認められた。また重心動揺と麻痺側の股関節内転角度に高い相関が認められた。結論:長下肢装具によりアライメントが修正され、麻痺側への荷重率が増加し、静的立位の重心動揺は安定した。重心動揺との関係では麻痺側の股関節内転角度が関与する可能性があった。
著者
小川 秀幸 宮原 拓也 小野塚 雄一 實 結樹 松岡 廣典 澤入 彩佳 三井 直人 中野 克己
出版者
日本支援工学理学療法学会
雑誌
支援工学理学療法学会誌 (ISSN:24366951)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.72-79, 2023-03-25 (Released:2023-03-25)
参考文献数
22

【はじめに】先行研究における下肢装具のチェック項目は、選定方法が不明確などの課題が挙げられる。本研究は、下肢装具に関する経験豊富な理学療法士の意見を集約してチェックシートを作成し、内容的妥当性を検証した。さらに、使用感を確認し有用性を高める検討をした。【方法】下肢装具チェックシートは、先行研究から選定し、Delphi法を用いて内容的妥当性を検証した。次に、介護支援専門員を対象に実際の使用感に関するアンケート調査を実施した。【結果】26項目から17項目を採用した後、類似している内容を集約し8項目のチェックシートとした。アンケートの結果、チェックシートの使用感に関する回答は「分かりやすい」などポジティブな回答が60%以上であった。【考察】作成したチェックシートは、内容的妥当性が保証され、使用者の意見収集を実施した有用性の高いものであると考えられた。【結論】内容的妥当性を検証し、使用者の意見を反映した有用性の高い下肢装具チェックシートを作成した。