著者
那須 高志 宮原 拓也
出版者
Saitama Physical Therapy Association
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.58-62, 2023 (Released:2023-09-01)
参考文献数
11

【はじめに】当院では実習の質の向上のため,実習生による指導者評価,並びに指導者による自己評価として同一評価を用いて,両者の満足度を調査している。今回,実習生と指導者の満足度と,それに影響を与えうる因子を調査した。【方法】対象は実習生24名と,その指導者24名であり,調査はアンケート調査を実施した。実習生と指導者の満足度と各質問項目の関係性,両者の各質問項目の差,また満足度に教育態度が影響を与えるかを調査した。【結果】「睡眠時間」「実習終了時間」「フィードバック時間」「達成度」は差がみられず,その他は指導者が低値を示した。重回帰分析は実習生において「質問しやすい雰囲気」が満足度に影響を与えていた。【考察】実習生と指導者は満足度と関連する因子が異なることが考えられ,指導者は実習生が「質問しやすい雰囲気」を重要視しているということを認識することで,満足度の高い実習が実施出来る可能性があるのではないかと考えた。
著者
宮原 拓也 平林 弦大 原 和彦
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.44-47, 2006 (Released:2006-06-14)
参考文献数
7

フォワードランジとは,スポーツ活動中に多用される動作であり,下肢筋力強化や協調性トレーニングとして用いられる。この動作中,さまざまなスポーツ障害の原因となりうるknee inを示す場合があり,その原因としては内側広筋をはじめとした大腿四頭筋の明らかな筋力低下が挙げられる。しかし,knee in時の筋活動に関する報告は少ない。そこで,今回の研究目的はknee in時の下肢伸展筋活動を明らかにすることとした。対象は健常男性10名,下肢伸展筋活動の測定は筋電計を用い被検筋である大腿直筋・内側広筋・外側広筋・大殿筋・腓腹筋の%iEMGを算出した。結果は,内側広筋・大殿筋の%iEMGが有意に減少し,腓腹筋の%iEMGが有意に増加した。内側広筋の活動減少は,膝内側支持に働く軟部組織伸張による静的支持と,knee in時に膝外反することで,大腿四頭筋力の外側ベクトルが増加したことに起因したと推察された。
著者
米澤 隆介 河井 剛 中野 克己 廣島 拓也 前原 邦彦 宮原 拓也 山際 正博 横山 聖一 阿部 裕一 江川 俊介 山畑 史織 實 結樹 久保田 めぐみ 常名 勇気 桒原 慶太
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.80-85, 2016 (Released:2016-03-17)
参考文献数
2

【目的】公益社団法人埼玉県理学療法士会(県士会)南部ブロック県央エリアの認知度と,地域で働く理学療法士(PT)の県士会活動へのニーズを把握する目的でアンケートを実施した。【方法】アンケートは県央エリアの全てのPTを対象とした。アンケートは県央エリアの認知度,研修会や研修会への参加,および県士会活動に関する情報収集に関する計7問とし,郵送にて送付と回収を行った。【結果】アンケートの回答数は274通であった。77名が県央エリアを知らないと答え,186名が県央エリアの研修会や交流会に参加経験がないと答えた。一方,218名が研修会や交流会に参加したいと答えたが,83名が県士会活動について情報収集しておらず,研修会や交流会の開催情報を知らなかったという意見が多かった。【結論】県央エリアの認知度を高めるとともに,研修会や交流会の情報を地域の隅々まで広報することで,PTの県士会活動への潜在的なニーズに応えていく必要がある。
著者
宮原 拓也 高島 恵
出版者
日本支援工学理学療法学会
雑誌
支援工学理学療法学会誌 (ISSN:24366951)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.22-29, 2022-09-30 (Released:2022-09-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1

臨床実習での下肢装具の体験不足等により、下肢装具に関する自己効力感が十分に培われていない可能性がある。本研究では最終学年の理学療法学科学生を対象に下肢装具に関する自己効力感を調査し、実施内容や体験機会による相違を検討し、下肢装具教育の課題を明らかにすることを目的とした。対象は3年制養成校最終学年41名とし、調査票を用いて年齢、性別、臨床実習で関わった主な病棟・施設、下肢装具に関する自己効力感、体験機会を収集した。その結果、体験機会の相違による比較では、自己効力感は臨床実習で体験、学内のみで体験、体験なしの順に高値を示した。実施内容の相違による比較では、使用、選定、調節の順に高値を示した。また、実施内容細項目間の比較では、長下肢装具やゲイトソリューションに関する内容で低値を示した。学内から体験機会を創出し、実施内容による差を是正することが必要と考えられる。
著者
小川 秀幸 宮原 拓也 小野塚 雄一 實 結樹 松岡 廣典 澤入 彩佳 三井 直人 中野 克己
出版者
日本支援工学理学療法学会
雑誌
支援工学理学療法学会誌 (ISSN:24366951)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.72-79, 2023-03-25 (Released:2023-03-25)
参考文献数
22

【はじめに】先行研究における下肢装具のチェック項目は、選定方法が不明確などの課題が挙げられる。本研究は、下肢装具に関する経験豊富な理学療法士の意見を集約してチェックシートを作成し、内容的妥当性を検証した。さらに、使用感を確認し有用性を高める検討をした。【方法】下肢装具チェックシートは、先行研究から選定し、Delphi法を用いて内容的妥当性を検証した。次に、介護支援専門員を対象に実際の使用感に関するアンケート調査を実施した。【結果】26項目から17項目を採用した後、類似している内容を集約し8項目のチェックシートとした。アンケートの結果、チェックシートの使用感に関する回答は「分かりやすい」などポジティブな回答が60%以上であった。【考察】作成したチェックシートは、内容的妥当性が保証され、使用者の意見収集を実施した有用性の高いものであると考えられた。【結論】内容的妥当性を検証し、使用者の意見を反映した有用性の高い下肢装具チェックシートを作成した。