著者
井上 和久 堀 彰穂 友成 真一
出版者
日本国際観光学会
雑誌
日本国際観光学会論文集 (ISSN:24332976)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.115-122, 2015 (Released:2019-06-12)
参考文献数
49
被引用文献数
1

The content tourism and “the Holy Land pilgrimage” are established as a general noun, and have been increasingly taken up by the media. This study is intended to consider about the way of regional formation clarifying the utilization of the contents. This paper took up cases which apply contents on railways in Japan, and clarified the effectiveness of regional formation. The examined cases are in the area of tourist resort, streetcar and local train. In addition, this paper took up and analyzed the cases of Kyoto city especially. Furthermore, this paper clarified the problems of regional formation by applying of contents and suggested the ways of solution considering sustainable regional formation.
著者
井上 和久 原 和彦 須永 康代 荒木 智子 西原 賢 菊本 東陽 丸岡 弘 伊藤 俊一 星 文彦 藤縄 理 髙柳 清美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E4P3192, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】現在、平衡機能低下に対するバランストレーニングとして様々な方法が取り入れられ臨床現場で実施されている。ただ、トレーニングを実施するのであれば、より効果的に楽しみながら実施出来ればそれに超した事はない。昨今、Wiiを使用したトレーニングソフトが話題として取り上げられている。昨年の第44回本学術大会においても、Wiiに関する発表が2題報告された。また、ロンドン・スコットランド・オーストラリアなどの海外においても健康増進・平衡機能向上・健康なライフスタイル等についてWiiおよびWii Fitを使用したトレーニングの効果について現在検証されている。本研究は、2006年に任天堂(株)から発売された家庭用ビデオゲーム機WiiのソフトであるWii Fit(2007年発売)を使用したバランストレーニングの効果を検証した。【方法】対象は、骨・関節系の既往歴のない若年健常成人10名とした。使用機器は、重心動揺計(グラビコーダGS5500、アニマ社製)とWii・Wii Fit・バランスWiiボード(任天堂製)を使用した。Wii Fitソフトの映写機器としてプロジェクターを使用しスクリーンに映写して実施した。測定方法として、最初に1))静的重心動揺計にて重心動揺(開眼閉足30秒:総軌跡長・単位面積軌跡長)を測定、2)バランスWiiボードでWii Fitのバランストレーニング(9種類:ヘディング・バランススキー・スキージャンプ・コロコロ玉入れ・綱渡り・バランスMii・ペンギンシーソー・バランススノボー・座禅)を20分間実施、3)トレーニング直後に再度静的重心動揺計にて重心動揺を測定。バランストレーニングは、1週間のうち被験者の任意の3日間(1日1回20分間)をバランストレーニングとしてWii Fitで実施させ、それを4週間継続的に実施した(計12日間:240分)。バランストレーニングの種類は、最初はヘディング・バランススキー・スキージャンプ・コロコロ玉入れの4種類を必ず実施させ、その後は被験者の好みによりランダムに実施した。なお、9種類のうち5種類のバランストレーニングについては、トレーニングの実施経過時間により順次増えていく内容となっている(10分実施後:綱渡り、60分実施後:バランスMii、90分実施後:ペンギンシーソー、120分実施後:バランススノボー、180分実施後:座禅の順にトレーニング項目が追加されていく)。また、バランストレーニングの前に必ずバランスWiiボードで重心を測定し、被験者の重心位置を確認させた上でトレーニングを実施した。バランストレーニング前後の統計処理は、PASW Statistics Ver.18.0を使用し、ウィルコクスンの符号付順位検定を行い、有意水準は危険率5%未満とした。【説明と同意】本研究は、ヘルシンキ宣言に則り被験者に研究の目的や手順を説明して署名による同意を得た。【結果】総軌跡長においては、バランストレーニング前後で何ら有意な差は認められなかった。単位面積軌跡長においては、バランストレーニング開始前と開始1・2・3週間後とにおいて有意な差が認められた(p<.05)が、バランストレーニング開始前と開始4週間後とにおいては有意な差は認められなかった。【考察】今回の研究結果からWii Fitのバランストレーニング効果は、静的な立位重心動揺に明らかな効果が認めらない事が示唆された。しかし、固有受容性姿勢制御度の指標である単位面積軌跡長の結果においては、バランストレーニング開始前に比べ開始1・2・3週間後に有意な増加傾向が認められた。Wii Fitのバランストレーニングの種類として主にバランスWiiボード上で前後左右の重心移動によりゲーム感覚で得点を競う特性があるため、総軌跡長というパラメータの特性には変化が認められず、重心を細かく制御する単位面積軌跡長というパラメータの特性に変化が認められたと考えられる。なお、Wii Fitのバランストレーニングとして9種類用意されているが、それぞれトレーニングの方法が違うため今後各被験者が実施したバランストレーニングの種類についても因子分析を行う必要性がある。【理学療法学研究としての意義】今回のバランストレーニングは週3日4週間継続という短い期間での実施だったが、今後はより継続的に実施した場合の効果についても検証し、より効果のあるトレーニングかどうか明確になれば臨床現場でのバランストレーニング以外に、家庭でも容易にバランストレーニングを実施する事が提案でき、継続的なバランストレーニングの効果を期待できる可能性があると考えられた。さらに、国民の健康増進や平衡機能向上にもつながる事が期待される。
著者
荒木 智子* 清宮 清美 渡邊 雅恵 井上 和久 須永 康代 石渡 睦子 柳田 千絵 河合 麻美 須藤 京子 伯耆田 聡子 吉岡 明美
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.15-21, 2011

埼玉県理学療法士会全会員を対象に職場環境に関する調査を実施した。960名より回答があり,平均年齢は30.5歳,97.5%が従事しており,病院・診療所が最も多かった。全体の38.8%が既婚者で子どもがいるのは66.3%であった。有給休暇取得率は50.9%であった。産前・産後休暇は女性の73.6%が取得した一方,子どもがいない群に制度の有無や利用の可否が「わからない」が高率にみられた。育児休暇は男性の5.0%,女性の60.5%が取得していた。国民平均値に比して埼玉県内の理学療法士は産前・産後休暇の取得率が全国より高く,育児休暇の取得率は低く示された。産前・産後休暇,育児休暇の制度の違いや復職後の不安により,取得状況が異なる背景が示唆された。今後妊娠・出産を迎える会員が増加することを考慮すると,就労継続を前提とした制度の周知,職場環境の整備,利用の促進が必要と考えられた。<br>
著者
小野塚 雄一 井上 和久
出版者
日本支援工学理学療法学会
雑誌
支援工学理学療法学会誌 (ISSN:24366951)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.13-21, 2022-09-25 (Released:2023-09-25)
参考文献数
31

目的:脳卒中片麻痺者において、長下肢装具の有無が静的立位時の重心動揺と前額面アライメントに与える影響を明らかにすること。方法:対象は初発脳卒中片麻痺者9名。方法は長下肢装具の有無にて、重心動揺計を用いて測定し、前額面アライメントをデジタルカメラにて撮影し、ImageJにて解析を行った。統計解析は2群間比較をWilcoxonの符号付順位和検定にて分析し、各項目をSpearmanの相関分析で行った。結果:総軌跡長、外周面積、矩形面積、実効値面積、単位面積軌跡長、荷重率に有意差は認められ、体幹傾斜角度、骨盤傾斜角度および非麻痺側股関節内転に有意差が認められた。また重心動揺と麻痺側の股関節内転角度に高い相関が認められた。結論:長下肢装具によりアライメントが修正され、麻痺側への荷重率が増加し、静的立位の重心動揺は安定した。重心動揺との関係では麻痺側の股関節内転角度が関与する可能性があった。
著者
丸岡 弘 高柳 清美 伊藤 俊一 森山 英樹 木戸 聡史 井上 和久 藤縄 理 小牧 宏一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P3124, 2009

【目的】一般的にストレスマネジメントは、サプリメント摂取や運動などが知られている.しかし、運動などによる酸化ストレス防御系への影響を検討した報告が少ない.そこで今回、実験的疲労動物モデルを用いて運動やサプリメント摂取が酸化ストレス防御系へおよぼす影響について検討した.<BR>【方法】実験動物はWistar系雄性ラット19匹(8週齢)を対象とした.ラットを1週間馴化飼育後に実験1、さらに1週間後に実験2を実施した.酸化ストレス防御系は活性酸素・フリーラジカル分析装置(H&D社製FRAS4)を使用し、酸化ストレス度(d-ROM:酸化ストレス度の大きさ)と抗酸化能(BAP:抗酸化力)を安静時(RE)と終了直後(PO)に測定し、d-ROM/BAP比(RB比:潜在的抗酸化能)を算出した.実験1(重量負荷強制遊泳試験). 試験は水温23&deg;Cの水を張った黒色円筒容器に、体重の6%のおもりを尾部に装着して2回遊泳(初回遊泳試験後30分間の休息)させた.遊泳は頭部が完全に5秒間水没するまでとして、遊泳時間を計測した.実験2. 対象を10時間以上の絶飲食とした3群(A群7例;行動制限なし、B群6例;行動制限あり、C群6例;絶飲食直前にRoyal Jellyを300mg/Kg強制経口摂取・行動制限なし)に区分し検討した.なお、実験に当たっては埼玉県立大学動物実験委員会の承認を得て実施した.統計学的処理は分散分析と多重比較、相関分析、T検定を用い有意水準を5%未満とした.<BR>【結果】実験1. d-ROMはREとPOを比較して有意差を認めなかったが、BAPとRB比では平均16~19%の有意な増加を認めた(いずれもp<.01).またRB比と遊泳時間との間には、相関を認めなかった.実験2. d-ROM平均変化率はREとPOを比較してA群;3%>B群;-1%,C群;-12%、BAP平均変化率はB群;18%>A群;8%,C群;8%、RB比平均変化率はB群;35%>C群;-6%,A群;-10%(いずれもp<.01~.001)となった.<BR>【考察】遊泳試験(実験1)では抗酸化力を増加させたことにより、酸化ストレス度に変化を生じなかったことが示された.つまり、遊泳時間に関連せずに潜在的抗酸化能を賦活させたことが考えられた.実験2より行動制限なしは酸化ストレス度の増加と共に潜在的抗酸化能の減少、行動制限ありでは抗酸化力と潜在的抗酸化能の増加が示された.このことから、行動制限の有無は酸素摂取との関連などから酸化ストレス防御系に影響をおよぼすことが考えられた.さらに、Royal Jellyの事前投与は酸化ストレス度の減少に繋がるが、潜在的抗酸化能に影響をおよぼさないことが示された.<BR>【まとめ】今回設定した遊泳試験では潜在的抗酸化能を賦活させた.また行動制限やサプリメント摂取は、酸化ストレス防御系と関連を示した.
著者
西原 賢 久保田 章仁 井上 和久 田口 孝行 丸岡 弘 植松 光俊 藤縄 理 原 和彦 中山 彰一 溝呂木 忠 江原 晧吉 細田 多穂 山口 明 熊井 初穂 二見 俊郎
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-45, 2001

筋線維伝導速度(MFCV)をなるべく多くの筋線維から詳細に調べる目的で、計算機プログラムによる筋電図のパルス検出と平均法を開発した。この報告では、パルス検出の原理について説明をし、実際に健常成人男女2人の左等尺性肘屈曲運動時の上腕二頭筋表面電極筋電図を双極アレイ電極で記録し、アナログデジタル変換後計算機に取り込んだデータからMFCVを算出した。その結果、MFCVは先行研究で報告された範囲内に分布し、神経終板付近や腱付近からのMFCVは筋の中心部からのMFCVより早かった。取込開始から時間の経過と共にMFCVの一定の減少が見られた。算出した平均パルス波形は、雑音による平均波形とは明らかに異なる特徴を持っていた。これらのことから、このパルス検出と平均法は今後臨床で有効に活用できる可能性があることが考えられる。
著者
渡邊 雅恵 須永 康代 石渡 睦子 荒木 智子 伯耆田 聡子 井上 和久 柳田 千絵 吉岡 明美 清宮 清美
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.112, 2009

【目的】 近年女性の理学療法士(以下、PT)が増えており、埼玉県理学療法士会(以下、県士会)でも会員の約半数が女性である。その中で出産・育児の関係で離職するPTが多いのが現状である。また、女性に限らず労働条件等で転職・離職するPTも少なくない。<BR> 復職支援システム検討委員会は、離職率の低減および離職をした会員が復職できるようシステムを検討していくことを目的にアンケート調査を実施した。<BR>【対象と方法】 2008年10月における、県士会に登録されている会員2168名を対象に郵送調査法アンケートを実施した。内容は基本属性(経験年数、年齢、家庭環境、就労状況)、職場環境(職場形態、人数、収入、残業、制度利用状況)等を多選択方式および自由記載での回答とした。<BR> なお、対象者には、依頼文書にアンケートの目的を提示した上で、無記名調査、データの統計的処理、個人情報の保護等の説明を記載し、調査に同意していただける方のみアンケートを返送していただいた。 【結果】 回答数は960名、回収率は44.3%であった。男女比はほぼ同数。平均年齢は30.5歳で58%が30歳以下であった。就業しているPTは943名(98.2%)、離職中は17名(男1、女16、1.8%)であり、離職中の女性に注目した。16名の平均年齢は30歳でそのうち子ども有りは11名であった。離職の理由は、転居が多く次に結婚・出産・育児・健康上の理由であった。復職希望は、有りが8名、条件付きが4名であった。復職が困難な理由として、託児所の問題が最も多く70%をしめていた。その他に、労働条件、育児の問題、通勤条件があった。託児所に関しては、職場に職員専用託児所はあるがPTは利用できないという回答もあった。県士会に対するアンケートの自由記載として、保育施設の確保、パート・非常勤の求人情報の提供、出産育児に理解のある職場環境づくりがあった。また、それ以外にも職場を長期間休むことにより最新の情報入手困難、次々に変わるシステムを理解するのが困難、知識や技術の低下などがあり、それらに対するフォロー体制を作ってほしいという要望が見受けられた。<BR>【考察】 今回アンケートに回答して下さった離職者PTが少なく実態は把握できていない。しかし、就業を継続することや復職するために出産・育児、特に託児所の有無に関する影響が大きいことが再確認できた。<BR> 今回のアンケートの結果を基に、今後県士会としてフォロー体制を作るための研修会など復職支援の検討をすすめていく。
著者
井上 和久 原 和彦 丸岡 弘 河原崎 崇雄 菅原 壮平 望月 あおい 中村 岳雪
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.28-33, 2013 (Released:2013-06-30)
参考文献数
12

[目的]昨今,国内国外において家庭用ゲーム機器であるWiiを使用した研究報告がある。筆者らもこれまでWii Fit(毎日の健康管理をサポートするソフト)を使用しバランストレーニングの効果について検討してきた。今回,病院・施設の方にご協力をいただき,患者・利用者を対象としてどのようなトレーニング効果が得られるかについて検証することを目的とした。[方法]今回,バーチャル機器の一つであるWii Fit Plus(Wii Fit同様,毎日の健康管理をサポートするソフトで,トレーニングの種類が増えたソフト)を使用し,患者・利用者を対象に運動効果および運動習慣について検討した。[結果]効果について,バランス機能の向上は認められなかったが,基礎代謝・柔軟性などについて有意な増加が認められた。質問紙調査結果からは今後も運動を実施したいという回答が87.5%あった。[結論]患者・利用者の方を対象とする場合はリスク管理について事前に検討し実施しなければならないことが今回の研究から明確となり,今後Wii Fit Plusの様々なトレーニング方法についてマニュアルなどの必要性があると考えられた。
著者
西原 賢 久保田 章仁 丸岡 弘 原 和彦 藤縄 理 高柳 清美 磯崎 弘司 河合 恒 須永 康代 荒木 智子 鈴木 陽介 森山 英樹 細田 昌孝 井上 和久 田口 孝行
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.A0675, 2007

【目的】運動時の活動電位を観測する研究は多いが活動電位の伝導方向や神経筋の部位まで調べる試みは少ない。現在、画像診断で筋構造を大まかに観測することは可能であるが、神経または筋の神経支配領域までを調べるには不十分である。これらが調べられることによって、運動に関る神経・筋の機能的評価が可能となり、臨床上大変有用となる。さらに、神経の走行部位を予測して、筋肉注射時に神経損傷を予防する場合にも役立つ。そこで、これまでわれわれが開発した筋電図処理技術を応用して、神経や筋の組織解剖学的研究と照し合せながら本研究の検証を行う。<BR>【方法】19-22歳の健常人男性12人を対象にした。被験者は右手首に1kgの重垂バンドを装着し、肩屈曲30°肘屈曲90°で上腕二頭筋収縮、肩外転45°で三角筋収縮を1分間持続させた。上腕二頭筋では、被験者の内側上腕二頭筋の中心に双極アレイ電極を筋の方向に沿って取り付けた。三角筋では、肩峰から腋窩横線までの距離から下3/8の地点を中心に筋の方向に沿って取り付けた。各筋から4チャネルの生体アンプで検出した筋電図を計算機に保存した。筋電図原波形のうちの5秒区間を、本研究のために開発した計算機プログラムを用いて、設定閾値以上のパルスのピークを検出して加算平均した波形を算出した。チャネルによる加算平均パルスの向きの逆転(+側か-側か)や遅延時間の方向から(パルスが順行性か逆行性か)、電極装着部位を基準にした神経支配領域の位置を推定した。<BR>【結果】上腕二頭筋において、12被験者のうち8人で、加算平均パルスの向きの逆転があった。4人はパルスの向きの逆転は観測されなかったが、遅延時間が順行性に変化した。三角筋において、12被験者のうち、加算平均パルスの向きの逆転があったのは2人だけであった。残りのうち2人は遅延時間が順行性に、3人は逆行性に変化し、4人は解析困難であった。<BR>【考察】(1)上腕二頭筋の神経支配領域の推定:加算平均パルスの向きが逆転されたチャネル付近に神経支配領域が存在する。結果により、12被験者のうち8人の神経支配領域の位置が特定された。残り4人は電極装着部の近位に神経支配領域あることが考えられる。(2)三角筋の神経支配領域の推定:12被験者のうち2人だけが神経支配領域の位置の推定ができた。残りのうち2人は電極装着部の近位に、3人は遠位に神経支配領域があると考えられる。(3)上腕二頭筋と三角筋の比較:三角筋は上腕二頭筋と比較して神経支配領域の位置の特定が困難であった。上腕二頭筋は紡錘状筋で、筋線維は筋の方向に沿って均一に走行している。それに比べて三角筋は羽状筋に近く、筋線維は筋の方向に対して斜めで不規則に走行している。三角筋の場合はさらなる調査が必要であるが、かなり詳細な筋構造が皮膚表面で調べられることが明かになった。
著者
木下 里美 大塚 眞理子 朝日 雅也 小田 心火 水野 智子 井上 和久 田口 孝行 加藤 朋子 井口 佳晴 鈴木 玲子 小川 恵子
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.35-42, 2002

Relationship between the effect of field practicum in freshman year and the category of practicum facilities was analyzed based on the results questionnaire survey of the freshmen who had participated in the field practicum during a period from 2000 to 2002. The facilities where the practicum was performed were categorized to be "hospitals", "health and welfare facilities for the elderly "and "welfare facilities for adults and children with disabilities". Answers to the questionnaires concerning "communication with colleague students in the same group", "learning opportunities in the field" and "the report session in the university after the practicum" were analyzed. Many students responded affirmatively to these questionnaires and the effects of field practicum could be recognized. On the other hand, the following was also suggested as the further tasks to be solved for improving the practicum: 1. Opportunity to communicate with students from other departments are limited during the practicum term, and continuous efforts for realizing further communications after the practicum are required. 2. Learning opportunities and the achievement of learning objectives differed in some learning items due to the feature of facilities, and compensative efforts should be discussed in the report session after the practicum.
著者
井上 和久 堀 彰穂 友成 真一
出版者
日本国際観光学会
雑誌
日本国際観光学会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.167-171, 2014-03

A promotion of tourism by utilizing contents has been activated. The film tourism is a typical example of this. Utilizing the animation has been actively carried out by now. By investigating the cases, such as Takayama, Gifu prefecture and Oarai town, Ibaraki prefecture, this study show a case of regional development by utilizing the contents in Kyoto. This study also shows that the animation forms the awareness of habitants to the contents and would have the effectiveness to the regional development utilizing environmental resources.
著者
丸岡 弘 藤井 健志 小牧 宏一 木戸 聡史 井上 和久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ab0472, 2012 (Released:2012-08-10)

【目的】 一般的にアンチエイジング対策には、食品摂取や有酸素運動などが知られている。特に、抗酸化作用を持つことが知られている還元型コエンザイムQ10(QH)摂取の効果には、老化の遅延や抗疲労作用などが報告されている。そこで今回は、長期間のQH摂取と運動が老化や酸化ストレス防御系へおよぼす影響について検討した。【方法】 対象は老化促進モデルマウス(SAMP1、週齢4週)50匹とし、無作為に4群(QH摂取群:A群、QH摂取と運動併用群:B群、運動群:C群、コントロール群:D群)に区分した(A群~C群各n=12、D群n=14)。マウスは動物飼育室にて馴化飼育した後、週齢8週目(若年期)より週齢56週(高齢期)まで研究に用いた。酸化ストレス防御系は活性酸素・フリーラジカル分析装置(H&D社製FRAS4)を使用し、酸化ストレス度(d-ROM)と抗酸化力(BAP)を安静時に測定し、d-ROM/BAP比(RB比)を算出した。測定は研究開始時(週齢8週):2M、12ヶ月の時点(週齢56週):12Mの計2回実施した。d-ROMなどの測定には尾静脈を一部切開の上、採血を行い遠心分離後の血漿を用いた。老化の指標には老化促進モデルマウス連絡協議会の老化度評点により判定を行った。運動能力は動物用トレッドミル(TM)を使用し(速度20m/min・傾斜20%)、走行時間を測定した。なお、運動の終了基準はTM走行面後方の電気刺激の時間間隔が5秒以内となった時点とした。老化指標と走行時間の測定は、2M、6ヶ月の時点(週齢32週):6M、12Mの計3回実施した。QH(30%安定化粉末)は給水ビンにて300mg/Kgの割合で配合、毎日摂取させた。運動の暴露はTMにて走運動(速度20m/min・傾斜10%・30分)を2回/週の割合で実施した。コントロール群は通常の飼料と水道水を摂取した。本研究において得られた数値は平均値±標準偏差で表し、統計ソフトはSPSS(Ver19.0)を用い、有意差の検定はwilcoxon符号付順位検定と一元配置分散分析を用いて行った。【倫理的配慮】 研究に当たっては、所属する大学動物実験委員会の承認を得て実施した(承認番号32)。【結果】 2Mの酸化ストレス防御系と老化指標、走行時間は、4群間において有意差を認めなかった。走行時間は12Mまでの経時的な変化において、4群共にそれぞれ有意な減少を認めた(p<0.001)。しかし、6Mにおいて4群間を比較すると、D群がA群とB群と比較し有意な減少、12Mにおいて4群間を比較すると、B群がC群とD群と比較し有意な変化を認めた(p<0.01~0.001)。老化指標は12Mまでの経時的な変化において、4群共に有意な増加を認めた(p<0.001)。しかし、6Mにおいて4群間を比較すると、C群とD群において有意な増加、12Mにおいて4群間を比較すると、特にB群が他の群と比較し有意な増加抑制を認めた(p<0.05~0.001)。酸化ストレス防御系は2Mと12Mを比較すると、d-ROMにおいてB群のみ有意な増加、BAPとRB比において4群間共に有意な減少を認めたが(p<0.05~0.01)、個体間のバラツキが大きかった。【考察】 今回、QH摂取による走行時間への影響が認められた。このような走行時間への影響は、ミトコンドリア賦活によるATP産生作用の増大などの生理学的効果が考えられた。さらに、QHは心筋の代謝を賦活させると共に、末梢血管抵抗を減少させ心肺機能や末梢循環を改善させることが報告されており、本研究においても老年期に至るまで、同様な効果を生じた可能性が考えられた。今回、老化指標はQH摂取によって遅延する傾向を認めた。このようなQH摂取による老化指標への影響は、運動を併用することによって生理学的効果が高まることが推察された。一般的に老化による生体への影響では、継続的な酸化ストレスの暴露に対する消去機能の衰えを示すことから、QHによる老化指標の抑制はQH自身の抗酸化作用による酸化ストレスの減少とATP生産による抗酸化系の活性維持が考えられた。また、B群では老化指標の増加抑制を認めたにも係わらず酸化ストレスの減少を認めなかったことから、老化指標に関しては酸化ストレスよりもATP生産が影響をしていたことも考えられた。一方では、血漿中の鉄イオンの還元力を分析している BAP値では、QHが脂質環境に存在するため、摂取による影響をよく反映しない可能性も考えられた。【理学療法学研究としての意義】 本研究からはQH摂取と運動による走行時間や老化指標への影響を認めたことから、アンチエイジング対策などの基礎的データとなりうる。
著者
井上 和久 郷間 英世
出版者
日本発達障害学会
雑誌
発達障害研究 (ISSN:03879682)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.342-353, 2001-02-28
被引用文献数
3